言論封殺発言の撤回、謝罪を求める~井上議員に「緑と市民ネット」
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自民党の井上貴博衆院議員(福岡1区選出)が同党の勉強会でマスコミ報道を封殺する発言をした問題で、2日、福岡市議会野党会派の「緑と市民ネットワークの会」の荒木龍昇、森文子両市議が、博多区の井上議員の事務所を訪れ、謝罪と撤回を求めて申し入れた。井上議員あての文書を読み上げて、秘書に手渡し、本人からの返答を求めた。
荒木議員らによると、応対した秘書が「本人に伝えます」と回答したという。井上議員の事務所が、報道各社に対し、申し入れの取材のための事務所立ち入りを拒否したため、報道各社が事務所の外から取材した。同事務所は、NETIBの取材に対し「担当者がいない」として、コメントをしなかった。申し入れ後、森議員は「井上議員の発言は、愕然とする内容だったので、直後に謝罪と撤回を求めたが返答がなかったため、あらためて文書で申し入れた。民主主義の根幹が問われている。国会議員は、本来民意を汲んで行動してもらいたい」と指摘。荒木議員は「今回の発言に対し、公式の場で説明がまったくない。民主主義の危機的状況という指摘がある。本人が謝罪すべきだ」と語った。
井上議員は、6月に同党本部で開催された「文化芸術懇話会」で、作家の百田尚樹氏らの発言に同調し、自分たちの都合の悪い報道を懲らしめるために「福岡の青年会議所理事長の時、マスコミをたたいたことがある。スポンサーにならないことが一番こたえる」などと発言し、党本部から厳重注意を受けた。一方、自民党幹部からは「発言で法案審議を遅れさせたら何の意味もない」「考えが正論と思ってもTPOは守らなければならない」など、厳重注意はかたちだけで、発言内容には無反省な姿勢があらわになっている。
申し入れ書では、「戦後70年、現平和憲法の下で現在の繁栄を日本は築いてきました。国民の多くが安保法案に対して不安を抱え反対の声をあげる中、安保法制を進める自民党議員の方々からは、様々な場面で許しがたい発言が次々に飛び出しています」と述べ、今回の言論封殺発言が「戦争する国」づくりと一体であることを指摘。憲法と基本的人権、平和を守る立場、地元の声を代表する立場から申し入れたものだとしている。
また、「(井上議員が)福岡1区の地元の方々からの問い合わせには、謝罪撤回はしないと明言されたとのこと」だとして、謝罪撤回する気があるのかどうかと、その真偽をただしたうえで、「言論の自由を潰し、民主主義を根幹から壊すような数々の言動」に対し、地元の声を代表して、あらためて発言に対する謝罪、撤回をしていただくことを強く求めた。【山本 弘之】
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