佳境に入った統一地方選後半戦
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23日投開票の統一地方選挙後半戦が終盤に入った。福岡県内では16日に直方市、田川市、春日市の3つの市長選挙および大野城市、筑紫野市、久留米市、田川市、八女市、筑後市など14の市議会議員選挙が、18日に志免町、新宮町、芦屋町、広川町、糸田町、川崎町、吉富町の7町長選挙および篠栗町、須恵町、水巻町、大任町など15の町議会議員選挙が告示された。
いずれの選挙においても経済振興や子育て支援、公共交通対策などが主な争点であるが、大野城市議選(定数20)では、中学校における全生徒への完全給食実施の是非も争点の1つとなっている。市当局は、給食の完全実施に慎重な態度をとっており、議員の間でも賛否が分かれている。
リベラル系の議員の多くが中学校でも全員が同じ給食をとることを主張。一方、市長与党の自民党系議員などは、態度を明らかにしていない議員もいれば、給食よりも現行のパンや業者の弁当のほうが良いと主張する議員もいる。保護者からも「子どもたちに安心安全なものを食べさせたい」「多感な成長期の子たちに、家庭の経済格差を感じさせず温かい給食を食べさせたい」といった声が聞かれる。
隣の春日市では、先日の県議選において大野城市もエリアとする地元ケーブルテレビアナウンサーを務めた候補者が当選しており、同人は学校給食推進派だ。今回の春日市長選でも教育の充実は主な争点の1つとなっている。福岡都市圏の大野城・春日という隣接する自治体の動向は、まだ中学校における完全給食を実施していない自治体にも影響するとみられる。
県南の筑後市は、同じく県議選、一昨年の市長選において市議会が二分した。今回、市議選では定数17人に対して20人が立候補しており、市長派と反市長派にわかれ、激しい論戦が展開されている。筑後市の隣の八女市の市議選(定数22)では23人が立候補しているが、県議選での保守分裂を受け、複数の市議は県議会議長を務める自民党公認の現職と福岡県農政連公認の現職の双方の出陣式や会合に顔を出していた。
自主財源が約29%(令和5年度予算)しかない八女市において、老朽化などから市役所の新築工事や公立八女総合病院の立替計画が進むなか、財政悪化を懸念し、市政の刷新を訴える候補者も複数いる。筑後・八女両市は農村地域も少なくなく、保守的で行政と議会が論戦を行うことがあまりないとみられていたが、変化が生じている。
町長選は福岡都市圏の新宮町や県南の広川町などで行われており、このうち福岡市のベッドタウンである新宮町は、いずれも無所属新人の桐島光昭氏(59)、長崎琢也氏(52)による一騎打ちの戦いになっている。
3月末時点の同町の人口は、3万3,318人。10年前の1.2倍に増えた。ただ、JR鹿児島本線の新宮中央駅周辺では増える一方で、周辺部では減少しており、近くにスーパーや病院がなく生活に不便を訴える声は少なくない。地域活性化を求める声はどちらに軍配を上げるのか。16日に告示された市長選、市議選と同じく23日に投開票される。
【近藤 将勝】
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