アビスパ、粘りのドローゲーム 札幌2-2福岡
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サッカーJ1リーグアビスパ福岡は23日、アウェーの札幌ドームでコンサドーレ札幌とJ1リーグ第9節の試合を行った。
アビスパは劇的勝利を挙げた19日のルヴァンカップ鹿島戦メンバーから、GK村上昌謙が先発。FW城後寿もベンチに控え、いい流れを継続させようという長谷部茂利監督の狙いが感じられるメンバー選考だ。
しかし、試合を動かしたのは札幌。5分、札幌MF金子拓郎が抜群のスピードでアビスパの左サイドを切り裂くと、深い位置から中央に折り返す。このボールをMF荒野拓馬がダイレクトで叩き、目が覚めるようなスーパーゴールが炸裂した。
さらに13分、カウンターからボールを運んだMF浅野雄也が左に展開。最後はMFルーカス・フェルナンデスの折り返しを受けた浅野が冷静に流し込み、札幌が2点をリードした。
前半のアビスパは、スピードとバリエーション豊かな札幌の攻撃に対して常に後手後手に回り、振り回され続けた印象が強い。だが、このままズルズルいかないのがアビスパの強さ、長谷部監督の手腕だ。後半開始からMF金森健志を投入し、フォーメーションを変更。これが見事にあたり、後半はアビスパ優勢で試合が進んでいく。
早くも51分、右サイドのMF紺野和也が左足で送ったクロスにFW山岸祐也が走り込み、技ありのループシュートをヘディングで決める。紺野とのコンビネーション、タイミング、そしてGKのポジションを冷静に観察した山岸の、まさにエースの一発だ。
試合はここから、ストレスのたまる展開に進んでいく。52分、アビスパのミスから札幌MF浅野が50m以上の超ロングシュートを決めるが、これより前に札幌MF青木亮太がペナルティエリア内でハンドの反則を犯したとしてゴールは取り消し。さらにアビスパにPKが与えられ、これをFWルキアンが冷静に沈めて2-2の同点となった。
だが、MF浅野のゴールが決まっていれば3-1だったはずの札幌側としてはおさまらない。札幌のミハイロ・ペトロヴィッチ監督、交代でベンチに下がっていたMF荒野が審判への抗議でイエローカードを受けるなど、試合は荒れ模様のまま引き分けとなった。
試合を裁く審判という仕事の難しさは、サッカーを見る者なら誰もがわかっている。いいジャッジをしても当然視され、ミスがあれば「あの試合は審判が主役だった」などと批判される、損な役回りだ。とはいえ、選手たちが気持ちよくプレーに集中できるように、可能な限りスムーズな試合進行が実現されることを望みたい。
アビスパの次の試合は、4月29日(土)の川崎フロンターレ戦。ホーム・ベスト電器スタジアムでのゲームだ。「強いアビスパ」を、ゴールデンウイークのホームゲームでぜひ目撃してほしい。
【深水 央】
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