2024年12月23日( 月 )

アビスパ 天皇杯も視野に!

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avispa J2のアビスパ福岡は9月5日、ヤマハスタジアムで第95回天皇杯全日本サッカー選手権大会2回戦、ジュビロ磐田と対戦した。結果は、1-0で勝利。この結果アビスパは、リーグ戦を含め、磐田に3戦3勝(1-0、2-0)。磐田は、1回戦の北陸大学戦同様、控え選手中心のメンバー構成で編成。アビスパは、リーグ戦出場メンバーとほとんど変わらない構成であった。

 試合後、アビスパ井原正巳監督の「非常に難しい試合になるだろうということは予想していましたが、案の定、あまり試合に出ていない選手たちの気迫や、切り替えの早さ、球際の強さ、そういうものに押されて、かなり厳しい試合内容になってしまったなと思います。試合に出ていない選手も、磐田は力があるなと、改めて感じました」とのコメントするように、試合の序盤から、磐田が試合の主導権を握り、アビスパが守勢に回った展開となった。前半だけで9本のシュートを磐田に放たれて、防戦一方のアビスパであった。当試合で磐田のシュートは13本、アビスパは3本。完全にアビスパの攻撃を封じられた形となったが、後半68分にMF末吉隼也選手からFW金森健志選手につなぎ、金森選手からFW酒井宣福選手に渡りシュートを放ち得点となった。まさに値千金のゴールとなった。

 前述の通り、磐田はリーグ戦での出場機会が少ない選手が中心で、この機会が絶好のアピールの場となり、リーグ後半戦の出場を目論んでいたことは予想できる。だから、アビスパに対して全身全霊で挑んできたのである。その磐田に対して、一部のサッカー関係者やキャラリーは、「磐田は控え中心=2軍だから勝って当たり前。その磐田に苦戦した。今後は大丈夫か?」と低い評価が散見されている。その見解も間違いではないが、普段、出場機会が少ない選手たちがモティベーションを高めて挑んできた時は、相当脅威であることも事実である。なぜなら彼らは生活がかかっているからだ。そのような背景の中、防戦一方の展開で勝利を得たアビスパは、試合ごとに進化し実力が向上していることは確かだ。少ないチャンスを活かした今回の試合の経験も大きい。

 次の天皇杯3回戦のスケジュールは未確定であるが、おそらくJ1クラブとの対戦となるだろう。アビスパの天皇杯における一番の戦績は、2010年のベスト8である。今後は、J1クラブとの戦いが中心となる。アビスパは、チャレンジャーとしての立場になるだろう。それでもどこのクラブにも勝るとも劣らない献身的なハードワークはアビスパの強みだ。加えて、緻密なスカウティングをもとにした戦法を駆使したゲームマネジメントを実践している。ベスト8を越えて、天皇杯を掲げることを視野に入れていただきたい。

【河原 清明】

 

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