中国企業は海外受注分の32%を失った 中国国際貿易促進委員会元副会長が語る(後)
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キーポイント「受注はどこに流れたか」
世界の主要3地域における貨物の輸出は、過去20年間ほぼ平衡状態であって、1%プフスという年もあれば横ばいだった年もあり、パイは十分に大きかった。
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日中医療ビジネスの架け橋となるか?徳川家康の健康長寿の秘訣2008年から2019年の間、中国の受注は7.7増え、一方でEUの受注は8.2%減った。すなわちこの20年間の受注について、ヨーロッパの分か減って中国のシェアが増えたのである。こうした事実から、「WTOは中国の味方だ」というアメリカのかねてからの主張は誤りである。中国の受注増加分はアメリカではなくヨーロッパから流れたもので、これは過去20年間の基本線であり、過去40年の変化より大きいものである。しかしこの状態が2019年に崩れ、貿易バランスが傾き、需給や受注に問題が発生している。
まず貿易の受注について、これまでにおけるバランスとは、中国が安価な商品を頼りにアメリカ庶民の購買力を満たしてきたこと、ロシアが安価な石油を頼りにヨーロッパ産業体系のハイスペックな整備を満たしてきたこと、アメリカが通貨の量的緩和政策を頼りにインフレ率を抑えてきたことであり、その低インフレ率は中国の安価な商品やロシアのエネルギーが土台となったものなのである。
こうした枠組みが崩されたことで、当然のごとく貿易全体の供給や需要がバランスを失っている。これは中国で鮮明に表れており、2021年の貿易は前年比で21%以上の伸びであったが、2022年は14.2億減って7.7%となっている。
では、受注はどこに流れたのだろうか。まず、貨物貿易の大部分がデジタル貿易に変わっている。この根拠を挙げると、中国は2022年、越境ECの総額が2.1兆、デジタル貿易が2.5兆で、合わせると4.6兆であった。この数字は貿易受注全体の9.5%にあたり、この分が一般の貨物貿易からデジタル貿易に変わった分である。
またデジタル貿易は世界的に見ても成長して今は61%に達しており、中国も43%に達している。この流れは今後も続くだろう。
次に、貿易相手先での需要が後退している。まずアメリカについて、OECD(経済協力開発機構)の概算統計によると、回復する製造業への就業者が1人増えるごとに中国製造業の輸出が1.6%減る。つまり、中国からアメリカヘの輸出が1,900億ドル、率にして全体のおよそ3.8%減るということで、これが製造業からの流失分である。
RCEP(地域的な包括的経済連携)協定の締結国の輸入を見ると、機械産業、自動車業界、農業で大きく関税が削減されている。また自動車も輸入が進んで中国は受注を2%以上失っている。輸出についても、繊維製品、木製品などがかなりの影響を受けている。受注のおよそ8.3%が貿易相手先に奪われているのである。
さらにまた、ヨーロッパの受注分ちアメリカに大量に流れている。この根拠であるが、アメリカは2022年、最大の貿易相手先がヨーロッパで、以下カナダ、メキシコの順で、2019年にトップ、2020年は2番目、2021年は3番目だった中国は四番手に後退している。
中国は以上のように、貿易面で受注の32%を失っている。23年の中国経済は、企業の受注がないなかで国内市場も景気の先行きが期待できず、消費も落ち込み、国内外で不振が続くことで一段と困難な状態に置かれるだろう。多くの民間企業が存続問題を抱えることになる。
(了)
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