無能政府に個人情報委ねられない
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は、政府には個人情報を委ねられるだけの信頼がなく、マイナンバーカード制度の運用を凍結すべきと訴えた6月8日付の記事を紹介する。
マイナンバーカード制度に対する反対論の核心が2つあった。第1は現在の日本政府に個人情報を厳正に管理する能力があるのかとの疑問。第2は現在の日本政府に個人情報を一元管理させる信頼を置けるのかという疑問。
さまざまな情報を電子管理すれば利便性は上昇する。このことを否定する者は少ない。しかし、若干の利便性よりもはるかに重大な価値が存在するとの見解がある。役所仕事は「上から目線」を特徴とする。
公務員は国民に対する奉仕者であり、本来、公務員は「下から目線」で国民、住民に接すべきところ。ところが、ほとんどの機関で逆が実践されている。
今回の不祥事が表面化してもなお、担当責任者が横柄な振る舞いを示す。ふんぞり返って「申し訳ないと思う」と言葉だけを並べる。
御用メディアは追及すらしない。担当相は責任を明らかにして辞職して当然。まずは、事実解明、原因究明は必要だが、重大な過誤が発覚しながら横柄な振る舞いは許されない。制度を運用する際に絶対に守らねばならない基本事項を明確にしておけば過誤は防がれたはず。
マイナンバーカードの保有を強要する政策運営が取られた。カードを取得すれば数万円の給付を受けられることを前面に掲げてカード保有を実質的に強要した。数万円の給付があると言っても制度を推進する担当相がポケットマネーで支払うわけではない。
現在および将来の国民が支払う税金を財源に支給するだけで、政府が上から目線で「恵み」を施すかのような振る舞いを示すのは筋違い。しかも、国庫から国民への直接給付でない。間に民間事業者が介在する。
同時にマイナンバーカード制度の運用に際して、民間事業者に巨額の公費が投入される。民間事業者にとって巨大な利権が発生している。その利権の一部が政治献金等の形態で政治屋に還流する。お決まりの政官業癒着の構造が鮮明に浮かび上がる。
このような重大問題がベースに存在するところ、制度の根幹である精密、厳正、厳格な運用が実現されていない。
マイナンバーカードの名称が示すように制度の根幹は「個人」。国民への一律給付金の給付に際して大きな問題になったのは家庭内におけるDV等の現実だった。親子の間に重大な問題が生じている場合が少なくない。
世帯への給付ではなく個人への給付が基本であり、このこととマイナンバーカード制度との間に密接な関係がある。
※続きは6月8日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「無能政府に個人情報委ねられない」で。
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