福岡大名ガーデンシティのオフィス入居状況(8日現在)
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8日(木)、積水ハウスと西日本鉄道が共同開発した複合ビル「福岡大名ガーデンシティ」内の商業フロア「ビオスクエア」がグランドオープンした。平日の午前11時半頃という時刻であったため、人通りは少なく、静かなオープニングとなった。現地ではメディア向けの内覧会が開かれており、週末に向けてさまざまな話題が提供されることを期待したい。
福岡大名ガーデンシティは、ホテル・オフィス・商業施設が集まるタワー棟と、レジデンスを提供するテラス棟の2棟から成る複合施設だ。タワー棟は地上25階、地下1階の建物で、18階から24階にはザ・リッツ・カールトン福岡が位置し、21日の開業を予定している。5階から16階は「世界とつながる高機能オフィス」として、グローバルビジネスを呼び込むための賃貸オフィスとなっており、4月6日から順次企業が入居している。
6月8日現在、オフィスフロアに設置されている看板から確認できる入居者は13法人。その内訳は、福岡に本社を置く6法人、東京の法人の支店が5法人、そして山口と熊本の法人の支店がそれぞれ1法人となっている。12法人が福岡にある拠点からの移転で、新たに福岡拠点を設立したのは1法人と見られる。
天神交差点から半径約500mのエリア(約80ha)を対象に、福岡市は「天神ビッグバン」の名のもと再開発を推進している。この動きにより、2026年末に向けてオフィスビルの大幅な増床が見込まれている。福岡市の試算によれば、30棟のビルが建替えられると延床面積は約1.7倍(44万4,000m2から75万7,000m2)に増加すると予測されている。
天神ビッグバンにともない、2022年4月に開業した天神ビジネスセンタービルの延床面積は6万1,100m2。今回オープンした福岡大名ガーデンシティの延床面積は9万400m2で、この2棟の延床面積を合わせると15万1,500m2となり、すでに当初試算の約20%におよぶ。さらに続く主な6棟を加えた8棟の合計延床面積は53万8,300 m2に達する予定だ。
福岡市中心部、とくに天神や博多エリアでは、オフィスビルの供給量が急増している。現時点でこの規模の供給を満たすビジネス市場があるようには見えないため、先行きを悲観する声もある。しかし、リッツ・カールトン福岡の開業は、そうした悲観論を一蹴する可能性を示唆している。歴史を見ても、5つ星ホテルは単なる宿泊施設以上の役割をはたし、投資対象エリアの先駆けとなる存在である。そう考えると、今後は外国や域外からの大規模な資本流入が福岡にもおよぶことが予想される。その結果、オフィスの供給はビジネスラインを満たすかたちで収束するだろう。しかし、その達成が何時、どのようになるのかが問題だ。福岡市政が掲げる「天神ビッグバン」計画の今後の進行を注視したい。
【児玉 崇】
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