2024年07月16日( 火 )

日本の半導体製造措置の輸出規制に中国が猛反発(後)

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中国は、「自由貿易と国際経済貿易ルールに対する重大な違反だ」と反発

貿易 イメージ    日本政府が半導体製造措置などの輸出規制を発表したことについて、中国商務部(省)の報道官は5月23日、「日本は直ちに誤ったやり方を是正すべきで、中国は措置を取る権利を留保する」述べた。

 同報道官は、「日本の措置についてのパブリックコメントの期間中、中国の産業界は日本政府にコメントや意見を次々に提出した。複数の業界団体が日本の措置に反対する声明を発表し、日本の一部の業界団体と企業もさまざまな方法で将来の不確実性への懸念を表明した。しかし残念なことに、日本が発表した措置は業界の合理的な訴求にこたえたものではなく、これから中日両国の企業の利益に深刻な損害を与え、中日の経済貿易協力関係に深刻な損害を与え、世界の半導体産業の構造を破壊し、産業チェーンとサプライチェーンの安全・安定に打撃を与えることになる」と述べた。

 また同報道官は、「日本は国際経済貿易ルールおよび中日の経済貿易協力の維持という観点から、直ちに誤ったやり方を是正し、関連措置が両国半導体業界の正常な協力・発展を妨げることを回避し、世界の半導体産業チェーン・サプライチェーンの安定を着実に守るべきだ。中国は措置を取る権利を留保し、自国の合法的権利を断固守り抜く」と述べた。

 他方で、日本政府は輸出規制措置が施工されると、東京エレクトロンやニコンなど10数社の経営に直接的な影響を与えるとみられる。米国が昨年10月に対中輸出規制措置を実施して以来、日本の半導体メーカー全体で対中輸出額が減少傾向を示してきた。5月23日に省令改正が公布されると、複数の日本メーカーの株価が下落した。対中輸出規制によって醸成された不安感は、日本の半導体メーカーに長期的な経営戦略を見直させ、日本の半導体産業の将来の発展に極めて大きな不確実性をもたらした。

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 国際半導体産業に関するデータを見ると、中国は現在、世界最大の半導体デバイス市場だ。2021年の中国の半導体デバイス売上高は296億ドル(約4兆1,617億円)に上り、世界市場の41.6%を占めた。ロイター通信の報道では、中国は日本の半導体大手の東京エレクトロンにとって最大の顧客だ。今年3月末現在、同社の半導体製造装置の年間売上高の26%は中国からきている。日本の半導体デバイス測定器メーカーのアドバンテストにとっても中国は最大の市場であり、前年度は中国からの受注額だけで1,890億円に達し、同社総売上高の27%を占めた。

 目下、新たな産業革命と科学技術変革が空前のチャンスをもたらしており、半導体での協力こそが、中日の共通利益に合致するものだ。中国への半導体の輸出規制は、日本にとって損失にしかならない。

(了)


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