2024年07月17日( 水 )

「野党候補一本化有志の会」結成

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は、「解散総選挙のタイミングを失った岸田首相は次の総選挙を迎えることなく退陣に追い込まれる可能性が高い」と論じる6月16日付の記事を紹介する。

 岸田首相が衆院解散・総選挙を先送りした。首相の自己都合解散に正当性はない。内閣不信任案が可決された場合に、これに対抗するために衆議院を解散することだけが憲法から読み取れる。天皇の国事行為を政治利用すべきでない。選挙を実施するには莫大な費用もかかる。内閣不信任案が可決された場合に衆院を解散する以外、衆議院は任期を満了すべきだ。

 とはいえ、首相の自己都合解散が新たに禁止されたわけでない。岸田首相はこの夏の解散・総選挙が自己都合上、得策でないと判断したから解散を先送りしただけ。今後も自己都合解散を追求することになる。

 しかし、今回の優柔不断対応でチャンスは二度と訪れないのではないか。岸田暴政を踏まえれば現在の支持率は出来すぎ。このチャンスを活用しないならチャンスは尻すぼみになるだろう。解散・総選挙に打って出ることができずに首相退陣に追い込まれることになるのか。岸田首相のこれまでの実績を見れば、このことが容易に想定される。内閣支持率は広島サミット終了局面がピークになったと思われる。内閣支持率の低下傾向が持続するなかで総選挙に打って出るタイミングを見出すことは困難になる。

 2021年10月に発足した岸田内閣。前任・菅義偉氏は首相就任直後の高支持率局面が唯一の解散・総選挙の好機だった。しかし、政権の実績を示したうえで、しかるべき時期に総選挙に進むとしながら、そのタイミングは到来しなかった。最後は、自民党総裁選への出馬断念に追い込まれ、岸田文雄氏に首相の座を奪われた。「政権の実績を示したうえで、しかるべき時期に総選挙に進む」ことができるのは政権を適切に運営できる能力を保持する首相だけ。実力がなければ時間の経過はメッキを剥がす効果しか持たない。菅義偉首相は東京五輪開催を不適切に強行。コロナへの対応は安倍内閣を引き継いで「後手後手、小出し、右往左往」だった。

 解散の機を逃し、首相の座から滑り落ちたのは麻生太郎氏も同じ。麻生太郎氏は岸田文雄氏に対して解散先送りを勧めたと見られるが、自分の二の舞を岸田氏に演じさせようと考えているのだと思われる。岸田氏は首相就任直後に衆議院が任期満了を迎え、衆院総選挙に直面した。立憲民主党が野党分断を推進して自滅したため岸田自民は大敗を免れた。岸田内閣の高水準の内閣支持率は2022年7月まで持続した。

 前任者、前々任者の立ち居振る舞いが傲岸不遜過ぎた。このため、岸田氏が普通の受け答えをするだけで支持率が上昇。また、政権発足と同時にコロナ感染が縮小。その後、コロナ被害はインフルエンザと同等であることが明らかになった。

 ウクライナ問題で米国の命令に従順に従うことを不正マスメディアが絶賛し、内閣支持率は高水準で推移した。岸田内閣は参院選も大過なく乗り切ったが、この後に「何もし内閣」から「とんでも内閣」「どうしようも内閣」に急変貌した。岸田氏は安倍首相国葬を強行。統一協会問題では十分な調査さえ拒絶。岸田氏が独断専横に転じた途端、内閣支持率は急落。2022年9月から2023年春まで内閣支持率3割割れという危機状態が続いた。

 ところが、年が明けて、日本の主権者が統一協会問題の記憶を薄れさせるのに連動して支持率が再浮上し始めた。岸田内閣を支えた最大の功労者は立憲民主党。立憲民主党が自民党以上に不人気であるため、相対的に自民党が浮上した。

 この再浮上のピークになったのが広島サミット。しかし、広島サミットは史上空前の前評判倒れに終わった。軌を一にして岸田首相子息問題が再浮上。首相秘書官の子息は更迭された。支持率浮上の残り火がある間が解散総選挙のラストチャンスだと思われる。このタイミングでの総選挙を見送ったから岸田首相は次の総選挙を迎えることなく退陣に追い込まれる可能性が高い。

※続きは6月16日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「「野党候補一本化有志の会」結成」で。


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植草一秀の『知られざる真実』

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