【福岡市立幼稚園全廃】「住民意見?そんなの関係ねえ!」なのか・・・??(前)
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福岡市の高島宗一郎市長が市立幼稚園を全廃する条例案を提案した。地方自治における民主主義のプロセスは、お役所の決めたことを、お役所の都合、お役所の決めたスケジュールで「決める政治」とは違うはずだが、今回の廃止条例案を議会に上程したプロセスは、住民軽視が目立つ。「住民意見?そんなの関係ねえ!」というセリフが聞こえてきそうだ。
福岡市が廃止条例案の9月議会上程を決めたのは、8月25日の市政運営会議。ところが、8月7日から始まった住民説明会は同25日以降、同31日まで開催されていた。6月議会で、議会側から住民の意見を聞くように求められていながら、意見を聞いている最中に、廃止条例案を出すと結論を決めていたことになる。何のために意見を聞いたのか、説明会の意義が失われる。住民の意見を聞いたら、その結果をフィードバックして、役所が考えた内容を検証することが期待されると、住民が思うのは当然だ。
議会側としても、市の所管局から意見を聞いた結果報告を受けて、市の廃止方針を再度議論する機会と時間があってこそ、二元代表制が十二分に機能する。議会軽視は、議員を選んだ住民を軽視することに他ならない。疑問1・住民説明会終了前に、教育長決裁・市政運営会議
10日の議案質疑で、倉元達朗議員が明らかにした事実経過は、住民軽視の疑惑を際立たせた。
同議員は、廃止条例案についての教育長決裁文書の起案日は8月4日、決済日は8月7日だと指摘した。8月7日といえば、住民説明会の初日。意見を聞くふりをしていながら、廃止条例案を出すことを事前に決裁していたことになる。
また、8月25日、住民説明会が和白公民館で行われたが、この日は、台風が九州北部に上陸。JR九州など公共交通機関の多くが始発から運休し、福岡市ホームページでは市の関連施設の臨時休館が告知され、学校で予定されていた行事も中止になった。市議会第5委員会も中止になった。猛烈な風台風で、外出そのものが危険な状況だったからだ。
だが、住民説明会は予定通り行われたうえ、「説明会で出された要望に対し職員は『持ち帰って検討します』と約束している」というのだ。倉元議員は「住民説明会は帳面消しに過ぎず、最初から関係者の意見を聞く気はなかったのではないか」「名ばかり説明会だ」と批判した。疑問2・教育委員会の意思決定は9月1日
8月7日の教育長決裁、8月25日の市政運営会議と、廃止条例案の手続きを踏んだが、教育委員会の意思決定である教育委員会会議は、その後の9月1日に開かれて、そこで議題にされた。教育委員会の意思決定を待たずに、役所の都合で決定事項だったことになる。
9月1日の教育委員会会議の招集も異常だ。当日召集、当日開催された臨時会議だ。倉元議員は「当日召集、当日開催は教員の飲酒事故に対応した例があるが、これは非常事態だ。今回は違う」と指摘する。
所管する教育委員会学校計画課は取材に対し「廃止方針を取りまとめたので、いつでも(条例案を)出せる状況に準備していた」「8月末まで説明会があったので、それが終わってから教育委員会議に議題に掛けようとした」と答えている。教育委員会会議は、定例会議が8月26日、9月8日に開催されており、9月議会に廃止条例を出すために、説明会の後に開いたという「アリバイ作り」の疑惑がぬぐえない。(つづく)
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