【第一交通】タクシー=ローカル事業で地域に貢献(前)
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コロナ禍の影響を大きく受け、2期連続で最終赤字となっていた第一交通産業(株)だったが、5月に発表された2023年3月期決算ではついに黒字転換をはたし、最終利益は21億円を計上した。同期は燃料費高騰の影響を受けたものの、コロナ禍の行動制限が解除されたことで旅客需要が回復したことなどから、3期ぶりの黒字転換となった。今期は売上高1,000億円の大台復活を見込む同社の田中亮一郎社長に話を聞いた。
コロナ禍からの反転攻勢、マンションは複合型が好調
──5類移行とともにコロナ禍も落ち着きを見せてきましたが、御社の事業への影響はいかがですか。
田中 当社ではタクシー事業を中心として、バス事業、不動産分譲事業、不動産賃貸事業、不動産再生事業、金融事業など多岐にわたる事業を展開しております。タクシーほか交通系の事業とその他事業の売上比率は概ね半々です。
いずれの事業もコロナ禍による影響は決して小さくはありませんでした。とくにタクシーやバスなど交通系事業は、外出自粛やテレワークの増加などによる移動需要の減退によって大きくマイナスとなり、2021年3月期は大幅な減収および赤字決算という結果となってしまいました。
ただ、アフターコロナで人の移動が復活することも想定して、タクシー運転手への補償の実施や、飲食ビルのテナントの家賃を半額にするなどの対策を講じたことで、社員の離職やテナントの退去などを最小限に抑えることができました。その結果、コロナ禍も落ち着いてきた現在では、コロナ前までにはまだおよばないものの、予想以上の回復ぶりを見せており、反転攻勢の様相を呈しています。
──不動産分譲事業の方はいかがですか。
田中 マンション販売については、幸いコロナ禍でも比較的好調に推移しており、北九州市内においては23年3月期中に、グランドパレス小倉小文字通り(小倉北区、51戸)などを完売しました。また、グランドパレス小倉砂津(小倉北区、73戸)やグランドパレス城野タワー(小倉南区、70戸)の新規販売を開始しており、いずれも販売は好調です。
最近の傾向としては、単体のマンションより複合型の開発が求められるようになってきました。たとえば、門司競輪場跡地の再開発事業の一環で進めているグランドパレス門司大里ヒルズ(門司区、88戸)では、マンションに隣接してディスカウントストアのダイレックスを誘致していますし、城野タワーでは隣接地にマックスバリュとベスト電器を誘致した複合開発を進めています。
その一方で、戸建分譲はマンションに比べるとやや苦戦しています。とくに同価格帯であれば、戸建住宅よりも利便性の高い場所のマンションのほうが好まれる傾向にあるようです。
(つづく)
【聞き手:永上 隼人/文・構成:坂田 憲治】
<プロフィール>
田中 亮一郎 (たなか・りょういちろう)
1959年4月、東京都出身。青山学院大学卒業後、82年4月に全国朝日放送(株)(現・テレビ朝日(株))に入社。94年7月に第一交通産業(株)に入社し、取締役、専務、副社長を経て、2001年6月に代表取締役社長に就任した。北九州商工会議所副会頭や全国ハイヤー・タクシー連合会副会長など数々の要職も務める。
<COMPANY INFORMATION>
第一交通産業(株)
代 表:田中 亮一郎
所在地:北九州市小倉北区馬借2-6-8
設 立:1960年6月
資本金:20億2,755万円
URL: https://www.daiichi-koutsu.co.jp月刊誌 I・Bまちづくりに記事を書きませんか?
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