2024年12月24日( 火 )

現状に満足せず常に新たなことに挑戦 進化を続ける建築設計集団

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ
法人情報へ

(株)R.E.D建築設計事務所

すべてステークホルダーの利益を重視した
設計提案が福岡で高く評価

赤樫 幸治 氏
赤樫 幸治 氏

    マンションや住宅、オフィス、店舗などのデザイン・企画・設計・監理などを手がける(株)R.E.D建築設計事務所。地場だけでなく全国規模のゼネコンなど、幅広い信頼関係を築き上げ、福岡のみならず九州の開発案件に多くの実績を有する。それは地域の実情を精通するうえ、建築主をはじめとする関係者の意向やコストなどバランスを重視した提案が高く評価されているからだ。

 さて、天神ビッグバンや博多コネクティッドといった福岡市中心部の再開発をはじめとして、福岡では今、これまでにないほど多くのプロジェクトが動いている。ただ、活況のなかにありながら、建設業界はさまざまな課題も抱えている。分譲マンションを例に取ると、原材料や部資材のコスト高、さらには工事に携わる人手の不足といった施工に関する課題が浮上している。一方で、人々の住まいに関するニーズが多様化、複雑化しており、特徴のない建物では販売がおぼつかない。

 建築主・事業主の視点で見ると、できるだけ低コストで高品質でありながら、高いデザイン性があり、さらには立地性も考慮に入れた販売しやすいマンションであることが重要となる。しかし、それらのバランスを取る、適正な落としどころを探ることは、難しくなっている。同社が重視するバランスとは、「すべてのステークホルダーの利益が絶妙な均衡で成り立つ建物。その点に注力することで、すべてにおいてまとまりのある良い建物になるのです」と赤樫社長。この難題において最適解となる提案を続けてきたからこそ、同社は関係者から高い信頼を得ているのである。

福岡県内のマンション
設計業務に携わった福岡県内のマンション

5月に東京事務所を開設し、首都圏市場に挑む

 スタッフ全員のバランス感覚を養い、事務所全体のレベルアップを図るために、同社では月に1度のペースで社内発表会を実施している。スタッフがそれぞれ、1カ月の間に注目した建築物や建築家、設計事務所などを紹介し、所見を述べ合うというものだ。また、毎週ローテーションでスタッフを東京に派遣し、特徴ある物件を見学したうえで、その報告・発表をするという取り組みも行っている。こうして常日頃から建築に関するアンテナを張り、設計や提案に生かすための引き出しを増やす努力を続けているからこそ、コストとデザインとのバランスの取れた設計が常に可能なる。その結果、顧客からの信頼も厚くなり、それが、さらなるオファーへとつながっていくという好循環を生み出しているのだ。

 赤樫社長は「設計提案のレベルは、いかに良い建築物を見たかが反映される、『見たもの勝ち』の部分があります。写真よりも実際に現地に足を運び、見て詳細を確認することで提案の引き出しを増やす。それが個人の成長につながるのです」と語る。また、東京を含む首都圏には、福岡に比べて「刺激になる物件」が多いとの認識から、このような取り組みを10年ほど続けているという。どの業種にもいえることだが、大切なのは人の成長。投資を惜しまず、スタッフも含め常にレベルアップできる環境を整えてきたことが、同社の強みを伸ばすことにつながっているのだ。

熊本県内のマンション
設計業務に携わった熊本県内のマンション

    そして同社では昨年5月に東京事務所を開設した。「私自身が東京出身であり、現地で活躍する大学時代の知人などが数多くいます。月に一度のペースで私も上京していますが、彼らとの交流のなかで強い刺激を受けたことが設立の理由の1つです。東京の開発プロジェクトは福岡のそれとはケタ違いな規模。その市場に参戦することで私や事務所がさらにステップアップできるのではないか、その経験を生かせば福岡の市場でもさらに強くなれるのではないかと考え、進出を決めました」。

 協力設計事務所はもちろん、現地でのブレーンとなる人脈づくりなど、本格的な事務所運営のメドはすでに出来上がっており、今後は「私自らが動きやすいよう環境を整えていく」という。東京事務所は赤樫社長が目指す新しいかたちや次なるチャレンジの行方が注目される。

NYの建築物などを視察 活躍のフィールドは世界へ?

長崎県内のマンション
設計業務に携わった長崎県内のマンション

    R.E.D建築設計事務所では、アメリカ・シアトルへスタッフとともに足を運ぶなど、海外の建築物を視察する取り組みを展開している。シアトルではマイクロソフトやアマゾン、スターバックスなど世界的な企業のオフィスなどを見て回ったという。「外国の街を訪れ建築物をつぶさに見ることは、日本では得られない刺激を得られます。自分たちがこの建物を設計に関わると想定すると、今まで以上に学ばねばならないと感じ、自分に置き換える機会になるからです」と赤樫社長は話す。

 今年6月初旬にはニューヨークをスタッフとともに訪問する。「現地は設計提案の参考になるアイデアが凝縮されています。ですので、滞在期間中はほぼすべての時間を建築物の視察に注ぐつもりです」。残念ながら、その体験談や成果については本稿では紹介できないが、きっと今後の新たなチャレンジに向けた刺激を得て帰ってきたに違いない。

 常に高い目標をもって現状に満足せず、新しいことにチャレンジする――。そうした行動原理に基づく赤樫社長とR.E.D建築設計事務所には、福岡、東京、さらには海外へと次々に飛躍することを期待せずにはいられない。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:赤樫 幸治
所在地:福岡市早良区西新4-6-15 ル・リアン西新102
設 立:2009年7月
資本金:1,000万円
TEL:092-852-1730
URL:https://www.redoak.co.jp

<RECRUIT>
募集職種:建築設計業務、監理業務
応募資格:普通免許、建築系学校卒業者、
     建築士有資格者優遇
採用実績:2022年度/2人
採用予定:22人
問合せ先:092-852-1730
採用担当:赤樫


<プロフィール>
赤樫 幸治
(あかがし・こうじ)
1993年、立教英国学院(イギリス)高等部卒業。97年、日本大学生産工学部建築工学科神谷宏治・川岸研究室卒業後、(株)穴吹工務店設計部入社。2009年7月に(株)R.E.D建築設計事務所設立。

関連記事