2024年12月21日( 土 )

安倍元首相1周忌を前にまとまらない安倍派

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 安倍晋三元首相が選挙演説中に銃撃された事件から本日で1年となるのを前に、安倍派(清和政策研究会)は6日午後、自民党本部において幹事会と会合を開催した。1年近く空席となっている会長ポストや今後の体制について議論が交わされたが、早期に新しい会長を決定するべきとの意見と、有力議員5人による集団指導体制を求める意見とが出て、結論を持ち越すことになった。

 会合において、会長代理を務める塩谷立氏は、「1周忌後に、しっかり議論を行いたい。会長を1人に決めたい」と提案した。この案には、同じく会長代理の下村博氏が賛同した。これに対し、参議院自民党を仕切る世耕弘成参議院幹事長が反対し、「今後派閥の運営は5人衆でやらせてほしい」と要望した。

 5人衆とは、萩生田光一政調会長、西村康稔経済産業大臣、松野博一官房長官、高木毅国会対策委員長と世耕氏の5人で、森喜朗元首相は彼ら政府および自民党内で要職にある議員による集団指導体制を提案している。

 もし、5人衆による派閥運営となると、世代交代が進み、塩谷・下村両氏は事実上、影響力を失う。世耕氏の提案に、派の事務総長も務める高木氏が賛同したが、塩谷案と世耕案のどちらを選択するのか、この日は結論が見送られた。派閥会合に先立って世耕氏らは、6日午前中、東京都内のホテルに集まり、5人衆による集団指導体制による派閥運営を確認していた。一方、6日夜、塩谷氏が中堅若手議員と開いた会合では、早期の会長選出に賛同する声があがったという。

 8月にも内閣改造・党役員人事が行われるとみられるなか、ポスト獲得に向け党執行部との交渉を優位に進めるうえで、安倍派は所属議員100人を擁する党内最大派閥でありながら会長不在のままでは、不利に働くとの焦りが強い。

 安倍氏の一周忌後、来週、安倍派は再び幹部会合を開催し、議論を行う予定だが、それぞれの思惑が交錯する中、新しく会長が決まるのか、運営体制が一新されるのかの見通しは不透明な状況にある。

【近藤 将勝】

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