2024年07月17日( 水 )

ウクライナ戦争主犯の米国

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は、「米国はクラスター爆弾をウクライナに供与しようとしている。日本はクラスター爆弾禁止条約を批准しているのに、なぜ真っ先に声を上げてこれを阻止しようとしないのか」と批判する7月10日付の記事を紹介する。

 昨年3月11日、ロイター通信社は次のように伝えた。

 「国連の人権に関する委員会は11日、ロシア軍がウクライナの人口密集地でクラスター爆弾を使用した複数の事例について「信頼できる報告」があったと明らかにし、こうした兵器の無差別的な使用は戦争犯罪に相当する可能性があるとの見解を示した。」

 クラスター爆弾は、1つの爆弾から多数の小型爆弾が飛び散る兵器。殺傷力が高く、不発弾が民間人に危害をおよぼす危険があることから、100ヵ国以上で使用が禁止されている。

 クラスター爆弾の製造および使用を禁止しているのが「クラスター爆弾禁止条約」。「オスロ条約」とも呼ばれている。2008年12月、オスロにて署名された。各国の批准手続きを経て2010年2月に30カ国が批准し、規定の日数後である2010年8月1日に発効した。クラスター弾の人道上の懸念に対処するための包括的な条約で、初めてクラスター弾の国際的な定義とその禁止が定められた。

 2007年2月にノルウェー・オスロで「オスロ宣言」が46カ国により採択された。これは、クラスター弾の使用・製造・保有および移動を禁止し、爆弾の廃棄や不発弾の除去、爆弾による被害者の支援のための国際的枠組みを定める条約作りを行うことを宣言したもの。2008年2月22日、ニュージーランド・ウェリントンで、早期の条約合意などが盛り込まれたウェリントン宣言が署名された。同年5月30日、ダブリンで開かれたクラスター爆弾に関する外交会議で107カ国によって条約が採択。同年12月にオスロで署名が行われ94カ国が署名。日本も2008年12月に署名、2009年7月に批准した。同条約発効以降、2013年9月18日時点で、署名国が111カ国、参加国が84カ国にまで拡大した。

 日本はクラスター爆弾禁止条約に署名、批准している。国際社会が禁止しているクラスター爆弾を米国がウクライナに供与しようとしている。これに対してクラスター爆弾禁止条約を批准している日本が、なぜ真っ先に声を上げて阻止しようとしないのか。

※続きは7月10日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「ウクライナ戦争主犯の米国」で。


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植草一秀の『知られざる真実』

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