2024年11月22日( 金 )

年間50棟限定の家づくり お客さまと現場をいちばん大切にする会社

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九州八重洲(株)

2017年グッドデザイン受賞

 西部ガスグループにおいて、戸建住宅を中心とした不動産の開発・販売を手がけるのが九州八重洲(株)だ。1948年10月に東京・八重洲で創業され、77年11月に福岡で九州八重洲興業(株)として設立。2008年に西部ガスグループに入ったことをきっかけに現商号に変更した。業績を年々拡大していくなかで、22年4月には西部ガスグループ初となるプロパー社員からの代表取締役社長に中島久雄氏が就任。就任後初めての決算となる23年3月期は約64億円の売上高を計上するなど、成長を続けている。

九州八重洲興業(株) 代表取締役社長 中島 雄氏
九州八重洲興業(株)
代表取締役社長 中島 久雄 氏

    しかし、日本の人口減少の進行にともない、不動産市場が活況といわれる福岡市内においても変化は少しずつ現れ始めている。空室率が上昇し、東京に本社を置く大手不動産業者でさえも竣工在庫を抱えるほか、メーカーが住宅関連機器の製造から撤退し始めるなど、厳しい局面を迎え始めている。

 このようななかで、同社では「年間50棟限定」で戸建住宅を供給。上限を定めることで1つひとつの住宅の細部までこだわることができるため、より上質な住宅を作り上げることができる。同社の象徴といえるのが住宅ブランド「ジョイナス」だ。

施工事例:ジョイナス大野城駅前(2021年)
施工事例:ジョイナス大野城駅前(2021年)

    これは「長期優良住宅×エコ×ガス」という3つのテーマを掲げた住宅ブランドとして打ち出しており、住みやすいだけでなく、CO2発生を極力抑える性能などを併せもち、環境配慮の面からもまちづくりに寄与している。エシカル消費をはじめとして消費者の購買行動が変化するなかで、人気が年々高まっている。17年にはグッドデザインも受賞した。また、口コミを含めた顧客満足度の部分が重要視されるようになったこともあり、顧客の住まいと真剣に向き合う同社の姿勢が評判を呼び、「八重洲さんにお任せしたい」と声をかけられることも少なくない。

フィリピン共和国のまちづくりに貢献

 同社では16年より、フィリピン共和国において市場開拓を行っている。フィリピンといえば平均年齢が約25歳と非常に若い国だ。人口も年々増加しており、現在では1億903万人(20年フィリピン国勢調査)となっており、27年ごろには日本の人口を抜いてしまう計算だ。GDPも年々伸長しており、首都・マニラでは住宅購入希望者が増加している。同社では17年6月にフィリピン現地法人を設立し、海外住宅事業をスタートさせた。これまでコンドミニアムの賃貸・売買やタウンハウス事業を手がけ、23年3月期には海外住宅事業の売上が10億円を突破した。数百戸規模のプロジェクトを続々と成功させ、フィリピン市場においても相応の知名度を獲得。現地に住む人々からの信頼も厚くなっている。

 しかし、最近では大手不動産業者の参入も本格化、市場競争の激化が進んでいる。このようななかで、同社はカンデラリア(ルソン島南部)にプロジェクトの一環として小学校校舎を2棟寄贈。また、カガヤン・デ・オロ(フィリピン・ミンダナオ島の北部の港湾都市)の小学校にはウェルカムゲートを寄贈したほか、通学路の舗装も行った。

フィリピン共和国・カンデラリア小学校校舎2棟寄贈(2022年)
フィリピン共和国・カンデラリア小学校校舎
2棟寄贈(2022年)

    現地ではフィリピン人スタッフも勤務しており、CADを使用した設計業務などを行っている。優秀な人材が集まっており、日本での定期的な研修でさらにその才能を磨いているため、フィリピンでも日本国内で受けられるものと同等の高品質なサービスを受けることができる。また、同社の日本人駐在員も語学学校に3カ月間通い、ゼロから英語を習得。言葉や文化の違いはありながらも、フィリピンのまちづくりに貢献したいという同じ想いをもち、業務に取り組む。地域貢献への想いの強さは他社には負けない。

社員への福利厚生も、お客さまのために

 同社では従業員、そしてその家族を大事にしたいという想いからさまざまな福利厚生が用意されている。近年多く見られるようになった出産手当だが、同社では09年からこの制度を取り入れている。第1子には30万円、第2子には50万円、第3子以降には100万円と出産祝い金を贈呈。仕事に対してより熱心に取り組みたいと思うモチベーションへとつながっている。

 また、商品理解を深めるという目的から、住宅取得支援制度を整備。この制度を利用した場合、自社商品の住宅の購入時に割引を受けることができる。これまでに15名の社員がこの制度を利用して自社商品を購入し、現在も暮らしている。なかにはモデルハウスとして自身の家をお客に見せる社員もいるという。「社員が自社物件に居住することで、それだけ自信のある住まいということが説得力につながります」と、同社代表取締役・中島久雄氏は話す。「自社商品に愛情をもつことができなければお客さまに自信をもって販売することはできない」という中島氏の考えに基づき、この割引制度は営業だけでなく、設計や内勤の社員も対象となっている。

 このほかにも、5%以上の経常利益を計上した際には決算賞与を渡しており、すでに14年連続で給付。人員評価においても、各人の仕事や結果を見てS、A、B……と区分するほか、年に3回(7月、11月、3月)中島代表が社員1人ひとりと20~30分の面談を行う。企業を発展させるためには従業員の存在が欠かせない。その育成のために1人ひとりの社員と向き合うことを忘れない中島代表の強い想いがそこにある。

 福岡においてもフィリピンにおいても、1つひとつの住宅に対して真摯に向き合う。「より良い住まいを顧客とともに作り上げる」という基本姿勢は今後も変わらない。

九州八重洲社員(2023年)
九州八重洲社員(2023年)

<COMPANY INFORMATION> 
代 表:中島 久雄
所在地:福岡市博多区東比恵1-5-5
設 立:1977年11月
資本金:1億8,000万円
TEL:092-472-2888
URL:https://kyushu-yaesu.co.jp

<RECRUIT> 
募集職種:戸建住宅設計、大工
応募資格:建築学部・学科卒業
採用実績:2023年度/2人
採用予定:2人
採用担当:佐々木
URL :https://www.kyushu-yaesu.co.jp/recruit/


<プロフィール> 
中島 久雄
(なかしま・ひさお)
1972年5月生まれ。95年4月、九州八重洲興業(株)入社。2000年12月、西武ハウス(株)入社。同社取締役を経て、08年4月、九州八重洲興業の専務取締役に就任。11年4月から九州八重洲(株)の取締役副社長を務め、22年4月、代表取締役社長に就任した。

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