全国各地に「安全」を届ける福岡発の総合安全商社
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(株)グリーンクロス
外的要因にとらわれない堅固な事業体制で、
14期連続増収増益を記録ふとした日常のなかで、誰もが目にする工事現場。とくに道路工事では多くの機材が自動車や歩行者の安全を守っている。そんな意外と身近な存在である安全機材・保安用品の販売およびレンタル事業をメインに、看板事業、サインメディア事業を展開する総合安全商社が(株)グリーンクロスだ。
同社は1969年1月、創業者である故・青山明氏とその大学時代の同期である元専務取締役・柴田泰三氏が交通標識製作所を個人創業したのが始まり。71年7月に法人化し、83年5月に現商号に変更。96年12月には福岡証券取引所へ株式上場をはたした。
設立から50年を超える同社は安全機材用品のリーディングカンパニーとして地域社会へ貢献することを使命とし、カラーコーン、バリケード、看板など、安全を守るためのツールや資材を現場に供給。さまざまなイベントや工事現場での「安全の確保」に取り組んでいる。福岡市から西日本を中心にエリアを拡大し続け、現在では全国57カ所に事業所を構え、社員数約850人を抱えるまでに成長を遂げている。
安全機材業界は、もともと他業種と比較して不況に強いという特徴があるが、コロナ禍でイベント関連の需要を逃すなど、多少の影響は受けつつも、先を見据えて素早く対応することで14期連続の増収増益を達成した。2023年4月期の連結決算では、売上高225億1,405万円、経常利益15億1,531万円、当期利益10億5,280万円を計上しており、堅調な伸びをみせている。
代表取締役社長を務める久保孝二氏は「22年を『攻めの1年』と位置付け、人材の採用に注力するとともに、物流センターを新しく設立。積極的に動いた結果、投資額は約30億円になりました。一方で、安全機材事業のエリア拡大は控え、既存拠点の新築や移転に留めました。また、東京・東日本橋に6階建ビルを購入しました(23年3月に事務所開設・移転済)。東京に自社ビルをもつことで、採用試験や会社説明会、会議、イベントなど、これまで以上にさまざまな活動が進めやすくなりました」と振り返る。
先を見据えた積極的なM&A
それぞれの強みを生かした相乗効果に期待コロナ禍の影響で制限されていた経済活動が徐々に緩和する一方で、ウクライナ情勢を背景とした原材料価格の上昇や金融資本市場の変動、供給面での制約などの下振れリスクも大きく、依然として先行きが不透明な状況が続いている。それらの要素からコスト増加による業績への影響は拡大傾向にあるため、久保代表は慎重な舵取りをしつつ、大胆な戦略を実行している。
グリーンレンタル事業では、顧客の高度化・多様化するレンタルニーズにきめ細やかに対応するため、環境に配慮した商品やオリジナル商品の開発を進めるとともに、各ロジスティクスを中心とした全社物流循環サイクルを活用し、営業拠点ネットワーク網の機動力強化を図っている。22年はM&Aも積極的に行い、メーカー機能をもつ(有)山行舎(現・(株)サンエクセル、愛知県名古屋市)と(株)アスコ(兵庫県伊丹市)を子会社化し、メーカー機能を強化した。さらに、安全機材用品の販売を手がける安全機器(株)(北海道札幌市)、サインメディアを手がけるマクテック(株)(大阪市)も子会社化。それぞれがもつ高い技術力や生産力、ノウハウとグループの販売拠点ネットワーク網とを共有し活用することでシナジー効果が発揮されることを期待している。
働きやすい環境づくりで、
社員1人ひとりの潜在能力を引き出す積極的なM&Aのほかに同社が注力しているのが、採用と人材育成だ。採用活動は今まで以上にさまざまな面から求職者にアピールする機会を増やしている。単なる求人案内だけではなく、インスタグラムなどのSNSを活用し、会社のイベントや日常の様子をアップすることでグリーンクロスに興味をもってもらえるよう、情報発信を行っている。そういった地道な努力の効果もあり、採用人数は年々順調に増加している。
「企業は若い人の成長なしに発展は不可能です。1人でも多くの新入社員が5年、10年後に主戦力として活躍できるよう、試行錯誤しながら柔軟な育成を心がけていきます」(久保代表)。
もともと「働き方改革」が世に浸透する前から、働きやすい環境づくりや社員の健康を守る取り組み、高齢者や障がい者の採用に前向きに取り組んできた同社。20年に本社を移転し、新オフィスには、いつでもお酒が飲めるバーカウンターや卓球台、スタイリッシュな打ち合わせスペースがあり、部署を超えた社員間コミュニケーションの円滑化を図っている。また、同年6月に「健康経営宣言」を行い、健康診断率受診100%実施や産業医の設置、健康関連イベント開催などの実績を積み、22年3月には「健康経営優良法人」に認定されるなど、職場環境の整備にも余念がない。
顧客・社員・社会の幸せを考え、
さまざまな取り組みに挑戦する近年では、21年4月に発足した卓球の女子プロチーム「九州アスティーダ」のメインスポンサーを務めている。チームの活躍と知名度向上が社員たちの士気向上にもつながるとの考えだ。また、新たな取り組みとして、1万2,000点を超える安全対策用品を取り扱う公式ECサイトが23年5月にオープンした。これにより、利便性の向上と注文から配達までの時間の効率化などが見込まれる。
SDGsへの貢献に向けた取り組みとして、社内設備における持続可能なエネルギーの活用のほか、地域の発展と雇用に挑戦しているがとりわけ力を入れているのが「子ども食堂」の運営支援だ。これは「どんな境遇にいる人でも未来や自分自身に希望をもってもらえたら」という願いを込めて、活動を行っている。
同社が取り組むさまざまな活動を紹介したが、そのすべてに共通することは「いま、社会に求められている潜在的ニーズに応えたい」という真摯な想いだ。今後も多様化する社会環境のなかで、グリーンクロスにしかできない事業展開に注目したい。
<COMPANY INFORMATION>
代 表:久保 孝二
所在地:福岡市中央区笹丘1-17-29
登記上:福岡市中央区小笹5-22-34
設 立:1971年7月
資本金:6億9,726万円
TEL:092-737-0370
URL:https://www.green-cross.co.jp<RECRUIT>
募集職種:営業、配送、総合職
応募資格:高卒以上 ※営業・配送は要普通免許
採用実績:2023年度/15人
採用予定:20人
問合せ先:092-737-0370
採用担当:神吉(かんき)
URL :https://www.green-cross.co.jp/recruit/
<プロフィール>
久保 孝二(くぼ・こうじ)
1971年2月生まれ、長崎県出身。98年に(株)グリーンクロス長崎支社に営業として入社。2000年久留米支社長代理、04年開発次長、05年執行役員営業管理部長、08年取締役。11年4月に代表取締役社長に就任。法人名
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