2024年12月23日( 月 )

中国経済が不振にあえぐ3つの理由(前)

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上海 イメージ    新型コロナウイルスが終息した2023年、中国経済は不振に陥ってしまった。中国国家統計局の最新のまとめによると、1~7月、全国の工業各社の利益総額は3兆9,439億元で、2022年同期より15.5%減、1~6月と比べても1.3ポイント減となっている。 

 その減少幅を種類別に見ると、国有企業が20.3%、外資系企業が12.4%、民間企業が10.7%のマイナスである。また41の業種のうち、利益が前年比増となったのは13業種にとどまり、それ以外の28業種は前年割れであった。

 8月に入り、不動産最大手の碧桂園(カントリー・ガーデン)が債務履行不能を発表し、同じく大手の恒大集団はアメリカで破産法の適用を申請した。また、現在20%を超え、なおも増え続けている若者の失業率について、国家統計局は今後発表を取りやめると宣言している。

 最も経済力のある上海市のある上場会社の会長は、『中国経済新聞』の取材に対し、「窒息したような感じだ。どうすればいいかわからない。強いやるせなさを感じる」と語った。この会長は、「コロナ禍を経た中国経済は、1990年代の日本のバブル崩壊によく似ている。不動産は低迷が続き、輸出は大幅に減り、投資も伸び悩んでいる。改革開放からの40年余りを支えていたこの3本柱が崩れてしまった。政府も一連の策を講じてはいるか、湖に石を投じて一瞬しぶきが飛び散るようなもので、まるで効果はない。中国経済は今後かなりの間、不振が続きそうだ」と述べている。

 中国は今、政府から民間まで三重の圧力(国内市場需要の後退、サプライショツク、先行き不安)と、「6つの安定」「6つの確保」(雇用、金融、貿易、外資、投資、先行きの安定と、雇用、基本的生活、事業体、食糧やエネルギー安全、産業チェーン・サプライチェーン安定、末端業務の確保) が叫ばれている。これらを強調すべき理由は何か。

 つまりこれらは、多かれ少なかれ問題となっている点て、対応がまずいと「6つの不安定」「6つの不確定」ともなり、世の中が混乱状態に陥る。つまるところ、国民の自信や信頼感が揺らいでいるのだ。情勢があやうい時はしばしば「自信は金にも勝るもの」といわれる。自信や信頼感がなくなったことを意味し、自信がなくなると内需は確実に落ち込み、国全体が不況に陥ることになる。中国経済がこのような事態になった理由は何か。コロナ禍での厳しすぎた規制や国際的な経済の悪化を理由に挙げる学者は多い。しかし、2022年は世界経済は減速しておらず、一部の発展途上国は急成長を遂げているほか(GDP成長率はインドが6.7%、ベトナムが8.02%)、日本もアメリカも景気は回復傾向にある。

(つづく)


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