2024年11月21日( 木 )

【まるの会・一條氏のコンサル資質に疑義(6)】違法募集に勧誘した投資金の即時返金を!

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 既報「【まるの会・一條氏のコンサル資質に疑義(5)】SDH社と関連会社へ禁止・停止命令」の通り、以下3者に対して大阪地方裁判所から、金融商品取引法(金商法)違反行為に係わる禁止および停止命令が発令された。

  • S DIVISION HOLDINGS INC.
    (フィリピン、須見一代表、以下SDH社)
  • (株)STEPCAPITALMANAGEMENT
    (大阪市北区、須見一代表、以下キャピタル社)
  • 須見一氏

 また、証券取引等監視委員会(証券監視委)のホームページに掲載された図によると、違法な社債などを購入したのは、SDH社が2,340名で150億円超、キャピタル社が2,001名で52億円超にのぼるとしている。

本件事案の概要図、出典:証券取引等監視委員会資料より
本件事案の概要図
出典:証券取引等監視委員会資料より

 そして、当該シリーズで既報の通り、上記への投資を盛んに勧誘していたのが、「まるの会」の一條好男氏である。

 ところで、証券監視委は本件について次のように顧客に対する通知も掲載している。

 当社らは、当社らと業務委託契約を締結した複数の代理店等によるほか、当社らから商品を購入した顧客の紹介を受け、対面、又は対面に準ずる方法(ウェブ会議、電子メール等)により、須見が運営する S DIVISION HOLDINGS INC.グループ(以下「SDH社グループ」という。)の事業内容や商品概要、商品購入に係るメリット(SDH社グループが存続する限り、利息支払が滞らず、かつ、元本も償還されること、一般的な商品と比べて利率が高いこと等)の説明を行うなどして、取得勧誘を行っていました。

 証券監視委は、上記3者のみならず、代理店による勧誘活動も把握しているということだ。そして次のようなことも通知している。

 当社らは、取得勧誘に当たり、元本償還されるのでリスクが少なく、利率は高いのでメリットが大きいといった説明を行っていますが、いずれも何ら保証されるものではありません。なお、証券取引等監視委員会の調査の結果によれば、SDH社グループのフィリピン共和国内における事業のために海外送金されている額は、当社らが調達した資金の一部にとどまっています。

 調達資金の一部しかフィリピンに流れていないとすれば、あとの金はいったいどこにあるのか?

 証券監視委は次のように続ける。

 裁判所の命令は、当社らによる金融商品取引法違反行為の禁止及び停止を命ずるものであり、顧客への投資資金の返金を禁止するものではありません。

 フィリピンへの投資名目で集めた資金でありながら、まだ送金されていない資金については速やかに出資者へ返金すべきである。また、上記の通りSDH社らの日本国内における募集活動が違法であることから、日本国内で同社への投資を勧誘した代理業者らは、投資先の選定に重大な瑕疵があったといえる。よって代理業者らは、すでにフィリピンへ送金された分についても、それぞれが勧誘した顧客に対する投資金の返金に責任をもつべきである。

 SDH社らの募集活動の違法認定後の、国内代理店の対応に注目したい。 

【寺村 朋輝】

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