ラグビーワールドカップ2023の総括とラグビー界のこれから(3)
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大会開催の経済効果予想
今大会の経済効果について、大会組織委員会が開幕前に「総収入40億ドル(日本円:6,051億円)を目標としている。うち約28億ドルはチケット販売、スポンサーシップ、放映権によるもの」と表明している。
前回の日本大会では、総収入34億ドルと当時大会史上最高の業績をつくった。今大会は、日本大会を大幅に超える40億ドルだが、それについて以下判明分を項目別に記す。
チケット
2021年3月から2022年4月にかけて数回に分けて発売された今大会のチケットは、過去最高の260万枚をカウントした。収入は2億3,308万ドルに達すると予想されている。ファイナルラウンドの準々決勝、準決勝、決勝が公式チャンネルで最初に完売となり、予選プール(グループリーグ)もすぐに完売となった。販売価格は、40ドルから1,036ドルのゾーンだった。
スポンサード
過去最多のスポンサードとなり、コカ・コーラ、マスターカード、DHLといった有名企業も含まれている。これらのスポンサーシップは、Global Dataの『Business of the Rugby World Cup』レポートによると、38スポンサーで1億4,375万ドルと推定されている。
観光
今大会では、60万人以上の観光客がフランスを訪れ、10億ドル以上の経済効果が見込まれる。今大会の観光客の訪問は、フランス各地の経済を活性化させるとともに、フランスを一流の観光地として位置づけ、今後さらに多くの観光客を誘致することに直結する。
ラグビーワールドカップ2023の経済効果は国境を越えて広がる。この世界的なイベントは、スポーツの知名度を高め、世界中から新たなファンを呼び込むことになる。財政的にも、大会がより多くのスポンサーや放送契約を確保することで、ゲームチェンジャーとなる。ラグビーワールドカップ2023は、ラグビー産業を成長させ、その将来の活力を確保するうえで重要な役割をはたしている。
組織委員会は、大会終了時に4,000万ユーロの利益を見込んでおり、その利益はスポーツに還元され、CSRプログラム、インフラ、フランスにおけるラグビーの発展に資金を提供するという。
【青木 義彦】
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