福岡県でもセクストーション、「被害防止へ取り組む」と小川知事
-
福岡県でも「セクストーション(性的脅迫)」と思われる被害が起きていることが10月1日、わかった。開会中の県議会本会議で、原中誠志議員(民主)の一般質問に対し、小川洋知事が答弁のなかで「県内市町村の消費生活センターにも相談があっている」と明らかにした。小川知事は、セクストーション被害増加への懸念を表明し、「県民がセクストーション被害にあわないように、犯罪事例の紹介、具体的な対処方法や注意点の周知が重要」との認識を示し、啓発や注意喚起に取り組むと答えた。県警も、悪質なサイバー犯罪に対し徹底した取り締まりとともに、広報啓発に努める姿勢だ。
セクストーションとは、「セックス(性的)」と「エクストーション(脅迫・ゆすり)」を組み合わせた造語。SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)などを使って入手した性的な写真や動画をネタにして恐喝する新手の犯罪行為。ネットやSNSを使った犯罪としては、「リベンジポルノ」、アダルトサイトの「ワンクリック詐欺」が知られているが、情報通信関連の新たな犯罪類型として問題視されている。リベンジポルノと違い、「画像や動画、電話帳などの情報が、どこの誰ともわからない犯罪者の手にわたり、それらをもとに脅迫され、相手が見えないという強い恐怖感」があり、下着姿や裸などプライベートな情報を誰にも知られたくないという相談しにくい心理を突いた悪質・巧妙な犯罪。
原中議員は、「スマートフォンの普及・利用拡大から、チャットなどでプライベートな動画や写真を送ってしまったり、電話帳が乗っ取られたりし、それをネタに高額な金を脅迫されたり、性的行為を強要されるなど犯罪に巻き込まれるケースがある」として、中高校生、20代の女性をはじめ、中高年やシルバー世代にも被害が広がっているのが特徴だと述べ、特殊詐欺のような大きな社会問題になる前に、県民への注意喚起と県警の対策策強化が必要だと求めた。
また、政府の「2014年度消費者白書」によると、「ワンクリック詐欺」の相談が過去最多の11万件、全国の消費生活センターなどの消費生活相談約94万4,000件のうち、「ワンクリック詐欺」を含む報通信関連が27万件と最も多いと指摘。県内の消費生活センターの全相談件数のなかで、アダルトサイトなどのデジタルコンテンツの相談が最も多く、60歳代、70歳以上の相談の1位、2位がデジタルコンテンツであることを挙げて、10代、20代の若年層から、高齢者まで広がっている被害に対応するため、消費生活センターの機能強化、相談員のスキルアップ、県警など関係機関との連携を求めた。小川知事は、若者向けに高校・大学での「出前講座」の実施、高齢者・一般向けに市町村や老人クラブと連携した「出前講座」や研修会などを実施してきたとし、「今後も、関係機関と連携して、悪質事業者の取り締まりや被害防止に向けた消費者啓発にしっかりと取り組んでいく」と述べた。
【山本 弘之】
関連記事
2024年11月20日 12:302024年11月11日 13:002024年11月1日 10:172024年11月22日 15:302024年11月21日 13:002024年11月14日 10:252024年11月18日 18:02
最近の人気記事
おすすめ記事
まちかど風景
- 優良企業を集めた求人サイト
-
Premium Search 求人を探す