2024年11月17日( 日 )

【2024年 福岡県知事年頭所感】未来を見据えて、福岡県の成長・発展の歩みを加速させます

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福岡県知事 服部 誠太郎 氏

    新年あけましておめでとうございます。

 皆さま方には、お健やかに輝かしき新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 今年は辰年です。天をかけ昇る竜のように勢いよく、福岡県の成長・発展の歩みを加速させてまいります。

 昨年5月に新型コロナウイルス感染症が5類となり、私たちの生活や社会、経済は、日常に戻りつつありますが、その一方で、国際的な原材料価格の上昇や円安を背景とする物価の高騰、度重なる自然災害の発生など、依然として困難な事案に直面しています。

 昨年は、エネルギー価格や原材料価格等の高騰対策を実施するとともに、7月の梅雨前線豪雨災害にともなう、被災箇所の迅速な復旧、被災された皆さまの生活支援、農林漁業・商工業者の皆さまの事業再開・継続の支援などに全力で取り組みました。

未来子どもチャレンジ応援プロジェクトキックオフイベント
「未来子どもチャレンジ応援プロジェクト」
キックオフイベント(2023年8月)

    そして、前を向き、世界を見て、未来を見据えて、福岡県の成長・発展の歩みを一歩でも進めたいとの思いで、「未来子どもチャレンジ応援プロジェクト」「福岡半導体リスキリングセンター」「水素大規模拠点の構築」などの新たな取り組みをスタートさせました。

 福岡半導体リスキリングセンターキックオフフォーラム(2023年8月)
 福岡半導体リスキリングセンター
キックオフフォーラム(2023年8月)

    今年も、県民の皆さまの命と健康、生活を守ることを最優先に取り組みます。そのうえで、「1,000億円の人づくり」「県内GDP20兆円への挑戦」「安全・安心で活力ある社会づくり」の3つの柱を基本としながら、さまざまな施策を展開してまいります。

 第1の柱、「1,000億円の人づくり」です。
 これからの福岡県の成長・発展を支えていくのは、「人」であり、人は財(たから)です。

 福岡県水素拠点化推進協議会(2023年5月)
 福岡県水素拠点化推進協議会(2023年5月)

 市町村や企業、NPOなど多様な主体と連携し、昨年スタートした「未来子どもチャレンジ応援プロジェクト」などを通じて、未来を担い、世界に羽ばたく青少年を育成します。

 産業を支え、発展させる人材も重要です。「福岡半導体リスキリングセンター」において、本県のみならず九州・全国で活躍する半導体人材を育成するとともに、中小企業のなかからDXを推進する人材や、先端技術を使いこなすスマート農業の担い手を育成します。さらに、女性活躍を推進するため、IT、建設、農業などこれまで女性の進出が少なかった分野における就業促進とともに、「福岡キャリア・カフェ」の充実や企業の職層に応じた実践的な研修など、女性の人材育成、キャリア形成支援を強化します。

 第2に、「県内GDP20兆円への挑戦」です。
 県経済の原動力である中小企業の持続的賃上げに向け、価格転嫁の円滑化を進めるとともに、生産性向上や新たな事業展開などを支援し、賃金と物価の好循環を実現します。

(ボストン訪問)マサチューセッツ州政府訪問(2023年10月)
世界最大のバイオ産業拠点であるボストンを訪問
(2023年10月)

    「グリーン」をキーワードに、水素需給のポテンシャルの高い北九州市響灘臨海部を中心とした水素大規模拠点、グリーンデバイスの開発・生産拠点、自動車のグリーン生産拠点の形成に戦略的に取り組みます。昨年訪問したボストンとの関係を強化し、県内バイオ産業のエコシステムの形成を目指します。令和7(2025)年春に福岡への拠点開設が決定したケンブリッジ・イノベーション・センター(CIC)との連携によるグローバルなスタートアップエコシステムの形成を図るとともに、国際金融機能のさらなる集積を図るため、国が新たに創設する「資産運用特区」の指定を目指します。

 また、新たに策定する「第三次福岡県観光振興指針」に基づき、観光産業の振興を図ります。稼げる、夢のある農林水産業を実現するため、大規模化やDXを推進し、生産力を強化するとともに、ブランド力の強化、輸出の拡大などを進めます。併せて、将来の発展基盤の充実のため、福岡空港の滑走路増設、北九州空港の滑走路延長を着実に進めるとともに、下関北九州道路の早期実現を目指します。戦略的な産業団地の造成や基幹的道路の整備による国内外からの企業誘致を推進します。

北九州空港滑走路延長図(『北九州空港滑走路延長計画について(PIレポート)』より作成)
北九州空港滑走路延長図
(『北九州空港滑走路延長計画について(PIレポート)』より作成)

 第3に、「安全・安心で活力ある社会づくり」です。
 次なる新興感染症に備えるためにも、ワンヘルスセンターの整備やワンヘルス教育の充実などに取り組み、福岡県をワンヘルスの世界的な先進地に押し上げてまいります。また、被災地の復旧・復興や流域治水の推進などによる防災・減災、県土強靱化に取り組みます。

    さらに、少子化に歯止めをかけるため、「出産・子育て安心基金」も活用した効果的な対策を機動的に実施してまいります。障がいのある方の自立と社会参加を進めるとともに、困難を抱える女性への支援、児童虐待やいじめの防止対策、孤独や孤立の気持ちを抱える若者の居場所づくりなどに取り組みます。そして、スポーツや文化芸術の振興、県民の健康づくり、MaaS(※)による地域公共交通の活性化、移住定住の促進などを進めます。

※MaaS ITと各種交通手段を組み合わせた次世代のモビリティサービス

 4月からはいよいよ、大分県と共同で、国内最大級の観光キャンペーンである、至福の旅・大吉の旅「JRデスティネーションキャンペーン」がスタートします。県内各地を周遊する広域観光ルートを提供し、多くの観光客を呼び込みます。また、昨年初開催で大いに盛り上がった「ツール・ド・九州」やサイクルツーリズムにより、福岡県の魅力を世界に発信し、インバウンド誘客に取り組みます。

 こうした重点分野の施策を通じ、「誰もが安心して、たくさんの笑顔で暮らせる福岡県」の実現に向け、引き続き、全身全霊で取り組んでまいります。

新年が皆さまにとって、すばらしい1年となりますよう心からお祈りいたします。

福岡・大分デスティネーションキャンペーン
福岡・大分デスティネーションキャンペーン

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