2024年11月21日( 木 )

【福岡IR特別連載125】長崎IRの崩壊「根っ子はすべて同じ」 岸田政権に思う(後)

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ネットプラットフォームは
国際金融市場の集積地に併設

 大阪、福岡、東京の各IRは近い将来、オンラインカジノ、オンラインゲーミング等の国際市場を開拓・展開するため、ネットプラットフォームを併設し、それらは急速に発展するものと思われる。

 この現地でのネットプラットフォーム施設の併設は、世界でのネット国際金融における市場競争の「核」となる事業であり、どこの国・場所であれ必須である。そこにはビットコインなどに代表される仮想通貨が集積し、世界的にも巨大な金融市場が誕生し形成されることになる。近い将来、IRがもたらす売上や収益、税収などは現在の計画をはるかに上回るだろう。

 我が国ではこれらはいまなおタブーであり関連の法整備は行われていないが、この世界のすう勢からはいずれの国も避けては通れず、我が国でも近年中に必ず実行されることとなるだろう。なお、福岡市は高島市長のもと行政と議会、経済界は「香港に代わる国際金融都市を目指す」ことをすでに公言している。

 九州大学箱崎キャンパス跡地開発と福岡IRが連携されれば、「鬼に金棒」となる。JR九州と西鉄、市営地下鉄沿線で結ばれた利便性の高いエリアであり、福岡IRは高島市長が掲げる「福岡イースト&ウェストコースト」プロジェクトに適したすばらしい案件となり得る。

 このように、ほかのプロジェクトを福岡都市圏で実現するうえでも、IR誘致開発は何よりもベストな選択だと断言できる。IR誘致に絡む世界の資金の巨額さは他に類を見ないものだ。

国際都市福岡の魅力と自然環境保護

海の中道海浜公園 イメージ    福岡IRの候補地は福岡都市圏、旧帝国陸軍航空隊「雁ノ巣飛行場」の跡地、戦後の米国陸海軍航空隊「キャンプハカタ」の跡地で、現在も米国文化と強いつながりを保つ土地である。

 とくに国営の「海の中道海浜公園」にはそれらの名残が多く残っていて、福岡市民から親しまれる憩いの場であり、白い砂浜の続く長い海岸線はとくに美しい。一部は「玄海国定公園」となっていて、風光明媚で自然豊かな環境の国土交通省が所有管理する広大な国有地でもある(約540ha)。その分、長く続く海岸線の防風林、松の林と砂防柵などの保護管理に要する費用は莫大なもので、現況の水族館や市民プールなど夏場だけの入場・イベント収入では支出にまったく追いついていない。近年はこの国有地の民間利用を積極的に促し、その固定費を賄うための収入増を期待して、法制度改革が実施されている。

 福岡市の中心地からは鉄道(JRと西鉄)で約35分、車(都市高速)でも約30分、博多港ベイサイドプレイスから福岡市営渡船でも約30分、このように交通インフラがすでに整備され、充実している点で国内唯一の候補地であるこの場所は、視察した米国企業をはじめ国際的にも高い評価を得ているという。

 とくに、IR誘致開発の準備組織が自然環境保護活動の一環として、米国企業ならびに福岡市行政には、当該地隣接の博多湾「和白干潟の鳥獣保護を守る」の観点から、「ラムサール条約」への新規登録への地元保護団体との協力とその費用負担にも積極的に模索中だと聞く。

 また、IR誘致開発の準備組織による自然環境保護活動の一環として、候補地に隣接する博多湾の和白干潟の鳥獣を保護するため、米国企業ならびに福岡市行政は「ラムサール条約」の新規登録について協力し費用を負担することを前向きに模索していると聞く。「環境保護」を口にするのは簡単がが、実際に実行するのは大変で、かつ巨額の費用を要する。IR開発・誘致のような高い付加価値と収益を産み出す事業だからこそのことだろう。また、世界および国内の富裕層による観光収入から賄えるということであり、優れた計画ではないか。

いよいよ福岡IRの出番が到来

    IRは全国に3カ所、「長崎IR」の不認定により、残る2カ所は「福岡IR」「東京IR」で間違いないだろう。もし、米国の次期大統領にトランプ氏が返り咲くことにでもなれば、日米経済関係から確実に実行される。

 今回の「長崎IRの崩壊」は、福岡財界が主体の九州経済連合会および若い経営者の集まりである福岡青年会議所は、長崎IRの関係組織への遠慮から、福岡IR誘致に積極的な動きはできなかった。しかし、彼らの本音は誰が考えてもIR誘致・開発に相応しいのは福岡都市圏というものだ。

 現在、このニュースは世界的に広がっている。Bally'sに続いて著名な米国系IR事業者の福岡都市圏へのアプローチが早々に始まるだろう。これらは積極的な行動に出るものと推測される。言うまでもなく、中華系その他の同業者グループは間違いなく蚊帳の外だ。

 とくに、過去、横浜や苫小牧、和歌山、長崎などへの進出の希望が断たれた米国系IR事業者は今後、現状では問題の多い「大阪IR」に比較して、既設のインフラが整っていて、人口など諸々の条件ですべてに引けを取らない当地「福岡IR」に集積することになるだろう。
乞うご期待だ。

(了)

【青木 義彦】

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