2024年11月25日( 月 )

能登地震被災者に対する生活費支援について賛否の声

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 1月10日、厚生労働省(以下、厚労省)は、1日に起きた能登半島地震の被災世帯に対し、1世帯につき生活費を10万円まで無利子で貸し付けることを明らかにした。4人以上の世帯や家族に要介護者がいる場合は、20万円までという。厚労省は、この趣旨を9日付で都道府県知事および都道府県民生主管部(局)長に対して通知した。

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 これは、避難先も含めてとなっており、窓口は、全国の社会福祉協議会である。貸付の枠組みは、「緊急小口資金」と呼ばれるもので、低所得者などを対象としている。近年では、コロナ禍で、外出規制などによって収入減となり生活が厳しくなった人が急増した際に、多くの人が利用した。

 今回は災害救助法が適用された石川県などの被災世帯を対象としたもので、所得などの要件は設けない。

 このニュースを厚生労働省記者クラブ加盟の複数のメディアが報じたが、SNS上では、「海外にはばらまくのに、国内は貸付?」「なぜ被災者に給付でなく、貸付なのか」などの批判の声が挙がっている。一方で、「政府批判のネタにすべきではない」との声も出されている。

 今回の厚労省の対応は、もちろん政府として決定されたものであり、現行の枠組みもフルに動員してあらゆる支援を行う姿勢をみせたいのだろう。13日には、岸田首相が自衛隊機で被災地へ行き、避難所や支援物資の集積所を訪れ、馳石川県知事などと意見交換を行う方向で調整が進められている。

 テレビ・新聞といったメディアからの情報のみであった時代と異なり、SNSで動画を含めたさまざまな情報が飛び交い、立場により異なる多様な意見が交わされる時代だ。被災地支援の在り方については、事務的なことも含め、今後、国民に対する丁寧な説明姿勢も求められることになるだろう。

【近藤 将勝】

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