中国、23年のGDP成長率目標達成 今後も財政出動で景気下支えか
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中国政府はこのほど2023年のGDP実質成長率が前年比5.2%だったと発表、目標としていた5%前後を達成した。22年は5.5%を掲げながらもゼロコロナ政策のもとでの都市封鎖の影響で3.0%に落ち込んだものの、23年は目標を達成したかたちだ。景気減速が伝えられるなかだが、前年からの反動増という要素に加え、後に述べる政府の積極的な財政出動などが寄与したと見られる。
中国の発展を牽引してきた不動産に関しては、全国不動産開発投資は同9.6%減と、2年連続で減った。消費についても消費者物価指数は22年の2.0%から0.2%と大きく下落、リーマン・ショックでマイナスとなった09年以降でもっとも落ち込んだ。23年は単月ベースで何度かマイナスを記録し、需要低迷でデフレ懸念が強まっている。米中対立や国内および欧州の景気低迷を受け、輸出、輸入ともに前年割れとなったが、これは7年ぶりのことだ。昨年7月分から発表を停止していた都市部の若年層(16~24歳)の失業率について、調査方式を変更(以後、学生を含まず)したうえで発表を再開した。23年12月は14.9%と引き続き高い状況だ。
GDP成長率は目標を達成したとはいえ、これらの数字を見ると企業・国民が成長を実感できているのかについては疑問が残る。
24年の展望について、財政政策を中心に見てみよう。中国はコロナ以前、財政赤字の対GDP比を3%以内に抑制する方針を維持しており、23年も同3%との方針を掲げていた。習近平国家主席も財政悪化につながる経済対策に慎重と見られていた。しかし、23年10月に1兆元(約20兆5,000億円)の国債を追加発行した。不動産市況など経済の予想以上の減速などを受けて、軌道修正を容認したものとみられる。GDP成長率目標は達成したものの、23年の財政赤字は同3.8%に拡大した。
23年12月の中央経済工作会議において24年の経済活動方針が定められ、24年の財政赤字について同3.0%と従来通りの方針を掲げた。一方で、景気を下支えするため、財政政策を従来に比して安定よりも積極に展開するという方向性を打ち出している。昨年同様に成長率目標を達成するため、財政出動などを実施する可能性がある。
【茅野 雅弘】
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