数十億円の微笑み! 博多駅前にはずっとおたふくわたがあった
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博多区博多駅東2丁目、博多東ハニービル。そこは170余年の歴史を持つ企業、ハニーファイバー(株)の本社であり、ショールームでもある。1973(昭和48)年に登記がされてから、同社はずっとその場所で博多の街の変化を見守り続けているわけだが、実はその眼差しはもっと広範囲に注がれていたのである。
博多駅前1丁目。現在西鉄イン博多、博多バスターミナルが建ち並ぶその場所にかつてどんと本社を構え、代名詞でもあるおたふく面の看板を掲げていたのが同社である。約3,000坪にも及ぶ広大な土地から、人々に快眠をもたらす綿布団を提供し続けることで、博多の賑わいに一役かっていたのだ。
ところがだ。バブル経済の崩壊は、同社に拠点の変更を強いることになる。手放さなければならなくなったその土地価格を、同社代表取締役社長、原田浩太郎氏が教えてくれた。
「他の資産も同時に売却して当時の価格で、30~40億で売れたと記憶しております」(原田社長)。
売買取引がなされたのが97(平成9)年。当時の福岡県公示地下、基準地価の総平均が54万6,791円/坪とされていることを 考えると、同社が所有していた土地がいかに資産価値の高いものだったが窺い知れる。
「身内を褒めるわけではないですが、立派だったなと思いますよ。綿布団にこだわりながらも、不動産事業もやっていたという、そのスゴさたるやもう、頭が下がります」(原田社長)。土地の売却と同時期に、同社は寝具事業から撤退。以降は不動産の運営・管理を主体に活動。きめ細やかな管理サービスは顧客に喜ばれ、事業は軌道に乗る。しかし、原田社長はおたふくわたの復活は綿布団抜きには語れないと奮起。2001年、おたふくわた復活プロジェクトを起ち上げ、わずか2年でそのプロジェクトを実現させた。
初代・原田忠右衛門から原田社長の父、8代目原田憲明氏の間で築き上げられてきた莫大な資産。それらの資産は、家賃収入で悠々自適に人生を送ることができるほど大規模だが、おたふくわた9代目、原田社長は「資産を売却したことで、少しでも資産を戻していきたいというのが、私の宿命です」と語る。
現在も不動産事業を主体とする同社ではあるが、原田社長主導のもと、おたふく面印の綿商品(木綿マフラーからユニークな座布団バックまで!)の製造、販売も手がけている。その販路もニューヨーク、ロサンジェルスと、海外まで伸びている。福岡・博多生まれのおたふくわたが、海外からの逆輸入といった形で再び地元で花を咲かすなんて話も、決して夢物語ではない。流行を先どりたい福岡・博多っこの皆さん、同社福岡本社ショールームへ足を運ばれてみてはいかがだろうか?<COMPANY INFORMATION>
ハニーファイバー(株)
所在地:本社 福岡県福岡市博多区博多駅東2-2-2 博多東ハニービル
販売本部 東京都渋谷区神宮前3-35-8 ハニービル青山
設 立:1929年3月
資本金:1億円
TEL:092-431-5231
URL:http://www.otafukuwata.com/index.html関連キーワード
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