2024年11月25日( 月 )

ハラスメント行為が認定された塩川宮若市長の進退は如何に

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 市職員へのハラスメント行為が動画で暴露されるなど塩川秀敏福岡県宮若市長の行動が大きな問題となっているが、宮若市の公平委員会は13日、塩川市長による市職員へのハラスメント行為が「存在した」と認定した。

相次いだ市長のハラスメント

 公平委員会は、塩川市長に「ハラスメント行為を二度と行わない」ことや「市職員が安心して公務に従事できる職場環境作りに努める」よう求める勧告書を塩川市長に手渡した。

 同委員会は自治体に設置される「行政委員会」の1つで、自治体職員の利益・権利の保護などを目的に設置されている。3人の委員から構成され、市長からは独立している。

 塩川市長によるハラスメント行為は、いずれも市職員からの告発で発覚したもの。昨年4月に公用車の車内で運転手の市職員に対して「すみませんで済むか」と厳しい口調で叱責した行為が、ドライブレコーダーに記録されていた。また、昨年9月には会議の場で課長に対して「辞めろ」などの発言などを繰り返したとして、複数の市職員が、市の公平委員会に職場環境の改善を申し立てる事態となった。

 昨年12月には、女性職員に対して「女は子どもを産んで初めて女になる!」との女性に対するジェンダーハラスメントといってよい発言をしていたことが明らかになり、塩川市長は釈明を行ったが、次のようなものであった。

「『女は子どもを産んで初めて女になる』というようなことではなくて、子どもを産んだ後の先生と、産む前の先生は、子どもの対応が変わりましたよ、ということは申し上げたと思う」

県議から教育委員就任に意欲も

 塩川氏は元福岡県立高校教師で、ストライキなどの日教組(日本教職員組合)の活動に反対して結成された福岡県高等学校新教職員組合(現在、福岡教育連盟)の書記長や旧宮田町(宮若市)教育委員を経て、2007年から21年まで福岡県議会議員を務めた。県議時代は自民党県議団に所属していた。

 塩川氏は21年5月、吉田法稔教育長に「職を辞してその方向に行きたい」と県教育委員就任を求める発言を行い、県議を辞職。服部誠太郎知事は県教育委員会から推薦があったとして塩川を教育委員に任命する人事案を示したが、教育の政治的中立の観点から、「県議の教育委員就任は問題がある」と強い非難を浴びて人事案を撤回した経緯がある。

 県議時代を知る関係者は「塩川氏は県議団の部屋ではなく県庁の地下にある古巣の福岡教育連盟の事務局に入り浸っていた」という。

 教育委員就任に意欲を見せたのは、自民党県議団で浮いたなか、元高校教師の強みを生かしたいとの思いの表れだったのかもしれないが、教育委員就任がご破算になるや、22年3月の宮若市長選挙に立候補し、自民党が推薦していた現職を破っての当選であったことを考えると、意趣返しの思いがあったのではないかとみる関係者は少なくない。

 塩川氏の思いはどこにあるにせよ、市長就任以来、どのような姿勢で職員に接してきたのかが問題で、職員から相次いだハラスメント告発に、宮若市議会は昨年12月、地方自治法に基づく百条委員会の設置議案を全会一致で可決した。

 百条委員会の設置と時を同じくして、宮若市職員労組が実施したアンケートでは、回答者の6割以上、数としては100人以上が「塩川市長のハラスメントを見聞きした」と回答しており、部下である市職員の市長に対する信頼は完全に失墜したといってよい。

 明日の百条委員会において塩川市長に対して証人尋問が開かれるが、宮若市の全課長26人のうち25人が設置に賛成しており、公平委員会でのハラスメント認定を踏まえると、潔く自ら進退を決すべきだろう。

【近藤 将勝】

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