岸田首相は、小手先ではなく、根本の政治改革を断行すべき
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岸田文雄首相は、国会において政治とカネの問題で防戦の一方だが、派閥の解散表明をはじめとする動きのなかに、自身の任期をいかに伸ばせるかを考えているふしが見受けられる。
14日午前中の衆議院予算委員会で、自民党の小倉将信衆院議員から、政治資金の在り方などについて質問が行われた。岸田首相は安倍派など自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、派閥を含む政治団体に外部監査を義務づける法整備の必要性について言及した。
ただ、岸田首相は、政治団体の会計責任者が有罪になった場合に議員が失職する公職選挙法の「連座制」の導入については、慎重な議論が必要との認識を示している。
小倉議員は二階派に所属し、岸田政権において子ども政策や若者活躍、男女共同参画などの内閣府特命担当大臣を務めていた。
現在、自民党内で派閥の政治資金パーティー裏金事件への対応策を検討する刷新本部の事務局長を務めており、刷新本部では、3月に行われる自民党大会で党則の改正などを行うことを念頭に3つのワーキンググループを設置し、(1)政治資金に関する法整備、(2)党機能・ガバナンス強化、(3)党則などの見直しについて議論を進めている。
今日の岸田首相の答弁は、身内に質問を行わせ、政治改革を行っている姿勢を見せていると捉えるべきだろう。
自民党は全所属議員にアンケートを行ったが、野党は「不十分」として、衆議院政治倫理審査会(政倫審)の開催を要求しているが、14日の朝日新聞朝刊の1面で、岸田首相(自民党総裁)が政倫審の実施に応じる意向を固めたと報じられた。
このアンケートは、党所属の国会議員374人と次の衆議院選挙の立候補予定者となる支部長10人の、合わせて384人を対象に行われた。
アンケートでは、収支報告書に記載していなかった派閥のパーティー券収入があったかどうかと、あった場合は一昨年までの5年分の不記載金額を年ごとに記載するよう求めていた。
そのなかで、現職の国会議員82人と支部長3人の合わせて85人に、パーティー券収入の収支報告書への不記載や不正確な記載が見られた。
金額が最も多かったのは二階俊博元幹事長で3,526万円、次いで三ツ林裕己衆議院議員が2,954万円、萩生田光一前政調会長が2,728万円、武田良太元総務大臣は1,926万円で、上位10人以内に含まれる。ただ、池田佳隆議員や谷川弥一議員は、除名や離党しており含まれていないという中途半端なものであった。そして、そもそも裏金の使途や目的などは明らかになっていなかった。
政倫審を開催した場合、安倍派5人衆(松野博一、西村康稔、萩生田光一、高木毅、世耕弘成の各氏)や二階元幹事長を出席させることができるかどうかが焦点となる。
岸田首相が自民党内の勢力争いでの小手先の修正ではなく、根本的に政治の在り方を問い直すことをしなければ、国民の政治不信がますます強まることは間違いない。
同時に国民1人ひとりが、政治は自らの生活にかかわる問題と自覚して、来る衆議院解散総選挙をはじめとする選挙において投票を行い、国民の意思を示すことが何よりも求められる。
【近藤 将勝】
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