2024年11月25日( 月 )

旧統一教会をめぐる政界の動き 教団による解散命令阻止が狙い?

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 旧統一教会(世界平和統一家庭連合)に対する解散命令請求の審理が行われているが、文化庁が旧統一教会に行政罰の過料を科すよう求めた裁判手続きで、東京地方検察庁が「質問権の行使は適法で、拒否に正当な理由はない」として、過料を科すべきだとする意見書を東京地方裁判所に提出したことがわかった。

 請求にあたって文化庁は宗教法人法に基づく質問権を行使した調査を行ったが、教団が回答を拒んでいたためだ。文化庁は教団に500項目を超える報告を求めたが、教団が100項目以上について回答を行わなかったため、昨年9月に東京地裁に対して過料を科すよう通知していた。

 宗教法人法は質問権の行使に関して、回答を拒否した宗教法人の代表に10万円以下の過料を行えると規定している。裁判所は過料を科すにあたって、検察庁と宗教法人に意見を聞いたうえで決定を出すこととしているが、教団は質問権行使は違法であるとして過料を科さないよう求めていた。

 今後、双方の意見を踏まえ判断することになるが、文化庁を所管する盛山正仁文部科学大臣がその適格性を問われる事態になっている。朝日新聞や週刊新潮、TBSなどが盛山氏と旧統一教会の接点について、現役信者の証言や集会に出席した盛山大臣の写真とともに報じたのだ。

 一方、本日発売の『週刊文春』は、教団の組織的選挙支援を受けたとする一部報道を「でっちあげだ」と否定する盛山大臣の妻のインタビューを掲載している。自民党派閥の政治資金問題が取りざたされるなか、旧統一教会と政治の関係が再びクローズアップされたことについて、教団側による情報リークであり政府に対する反撃との見方もある。

 2007年から10年にかけて福岡を含めて実施された霊感商法の摘発は、警察庁警備局の主導によるものだが、教団側の政治家へ働きかけにより教団本部への捜査は行われなかったとされる。しかし、いまや教団が頼りにしてきた安倍派(清和政策研究会)は解散し身動きがとれない。

 教団には解散命令を阻止するために、政権与党との関係を自ら暴露することで釘を刺す狙いがあるのではないだろうか。10万円以下という少額の過料とはいえ、解散命令に影響をおよぼすことを考慮すると、裁判所として慎重な判断を求められることになりそうだ。

【近藤 将勝】

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