2024年11月22日( 金 )

福岡の観光・飲食業振興~福商新規部会長に聞く(2)

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福岡商工会議所
観光・飲食部会長 高倉 力矢 氏

 福岡商工会議所(谷川浩道会頭)は昨年11月に役員の選任などを行い、新たな体制がスタートした。新たに観光・飲食部会長に就任した高倉力矢氏(福高観光開発(株)代表取締役社長)に、福岡の観光・飲食業振興について話を聞いた。

1泊でも長く滞在させる秘策

福岡商工会議所
観光・飲食部会長
高倉 力矢 氏

 距離の問題を考えるとアジアの観光客は「リピーター」づくりを、欧米の観光客は長期滞在型の観光客づくりを、我々が主導してつくっていく必要がある。

 まずはアジアの観光客であるが、とくに中国人対策として、コロナで減便になっている中国直行便の増便などを、商工会議所を通じて働きかけることが肝要だ。祭りの街「博多」をアピールし、そのなかの目玉である「博多どんたく」「博多祇園山笠」については、桟敷席をパックにした旅行を企画し、プレミアム感を演出する。それ以外の季節にも、たとえば秋は「放生会」、冬には「クリスマスアドベント」をアピールし、春、夏、秋、冬の日本の四季を通したイベントを知ってもらう。

 ここで、大事なことは、昔からある祭りを軸にしながら、祭りがない季節には上述した「クリスマスアドベント」等のイベントを企画、継続、検証を行っていき、旅行客がワクワク感、お得感をより一層感じられるように演出していく取り組みが必要だ。それこそが商工会議所の役割だと考える。

 次に、欧米向けであるが、博多だけでなく九州各地との連携により長期滞在してもらうとともに、その拠点を「福岡」とすることが重要だ。長期という観点から、JR九州に福岡発着の九州一円への乗車券や、各県のバス会社と連携し、たとえば、期限付きの乗り放題のパスなどを企画できないか投げかけていくことを考えている。

 長期滞在型の観光客を確保するには、視野を広くし、博多のみならず九州の良さを知ってもらうことが必要だ。福岡・博多の良さを掘り下げて知ってもらう機会になるだろう。

 また、現在注目されているアドベンチャーツーリズム(アクティビティ・自然・文化体験)を取り入れながら、たとえば「農業体験」「漁業体験」等の体験プログラムを組み入れることで、グルメの街、博多の源流を体験してもらう。

 その後のナイトタイムには、中洲のような歓楽街で実際に食べて、飲んで、体験してもらうことで、(当然、上述の体験学習とつながりをもたせる)充実を図りながら延泊を増やしていくという流れをつくっていくことが大事だ。

 地域の祭り体験ももちろん「キラーコンテンツ」になると思うので、要点を得ながら、グルメ、イベント、体験を軸に、博多から九州へと広がる(そして博多へ戻ってくる)という仕組みを、行政には商工会議所らとともに考えてもらいたいと思う。

歴史遺産の活用法

 これは、昨年9月の「歴史文化を生かしたまちづくり15の提言」の実現に向けて
商工会議所で取り組んでいる。私もその観光委員会に加入しており、その調査研究テーマにも入っている。

 試案はとくにないが、今回発表された福岡城「幻の天守閣のライトアップ」の取り組みは大いに評価できる。

博多湾(糸島)の活用事例

 今、福岡市では東(志賀島)と西(北崎地区)で「イースト&ウエストコーストプロジェクト」を推進している。

 東では「福津・宗像エリア」「西では糸島エリア」との連携で魅力は増大する。当然、「能古島」も観光資源としてもっと活用できる素材である。

 我々は、西エリアとの拡張で頑張りたい。

観光客を取り込むためのソフト面の教育

 これも上記の「歴史文化を活かしたまちづくり15の提言」にある「観光ボランティア1,000人育成計画」のなかで、「おもてなし教育」を展開することが福岡の魅力(人気)を高めることにつながるだろう。

5 海外へのプロモーション活動

 福岡からの直行便があるアジアを中心に行政や福岡観光コンベンションビューロー が派遣している各国の観光展に事業所も積極的に参加してみることを提案したい。

 また、商工会議所でも「観光商談会(観光マッチング)」を展開している。これらを利用することが重要である。

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