2024年12月22日( 日 )

アビスパ、ホーム初勝利はおあずけ 福岡1-1湘南

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 サッカーJ1リーグアビスパ福岡は9日、ホームのベスト電器スタジアムに湘南ベルマーレを迎えて第3節の試合を行った。

 前節、強豪横浜F・マリノスを下して今期初勝利を挙げたアビスパ。次はホーム初勝利を達成したいところだ。対する湘南ベルマーレは、昨シーズンこそ15位となかなか結果に恵まれないが、豊富な運動量をベースに攻守でハードワークをいとわないスタイルはアビスパに近いといえる。また、昨年までアビスパでプレーしたFWルキアンが今年から加入し、現在アビスパでワントップを務めるFWウェリントンがかつて4シーズンプレーした経験があるなど、なにかと縁がある相手と言えるだろう。

 この日のベスト電器スタジアムは、午前中までの好天とは打って変わって冷たい風が吹きつける、観客にとっては厳しいコンディション。前半終了間際には雨もパラついたが、これはフィールド上の選手たちにとってはむしろプラス要因。最後まで運動量が落ちない、ハードな展開が続くゲームとなった。

FWウェリントン、相手DFとの競り合いを制し先制ゴール(撮影:深水)
FWウェリントン、相手DFとの競り合いを制し先制ゴール
(撮影:深水)

 1分、MF前寛之の強烈なミドルシュートが湘南GK富居大樹を襲うが、これは富居が落ち着いてセーブ。しかし試合が動いたのはその直後だ。6分、右サイドのFW紺野和也が左足で送ったクロスに、ファーサイドに走りこんでいたFWウェリントンが反応。湘南DF大岩一貴の背後から長い左足を伸ばし、つま先でつついたボールは見事にゴールネットを揺らした。さらに10分には、縦パスに鋭く走りこんだFW岩崎悠人がダイレクトシュートを放つが、これはGK富居の正面に飛んでしまう。2点目を狙うアビスパ、攻撃の意思は旺盛だ。

 しかし湘南も黙ってみているわけではない。13分、左サイドを抜けたFW鈴木章斗が入れたグラウンダーのクロスはアビスパGK永石拓海のダイビングもおよばずファーサイドまで流れ、ここに走りこんでいたMF池田昌生が落ち着いてシュート。ボールは無人の福岡ゴールに突き刺さり、アビスパのリードは10分にも満たず、同点に追いつかれる。アビスパはこれが今期初失点だ。

 25分にはFW岩崎の突破からコーナーキックを獲得。FWウェリントン、DF小田逸稀がヘディングでゴールに迫るが、ゴールは奪えない。この後もセットプレーのチャンスを何度もつかむものの、あと一歩で湘南守備陣に防がれてしまう。

 44分、アビスパは絶好の勝ち越しチャンスを迎える。湘南が中盤から最終ラインにボールを戻そうとするが、このパスがミスキックとなってしまう。このボールを拾ったのは前線に残っていたFW紺野。紺野はGKと完全に一対一となりシュートを放つが、この日何度も湘南を救ってきたGK富居がわずかに残した足に防がれ、ゴールには至らない。

前半、直接FKでゴールを狙うFW紺野(撮影:深水)
前半、直接FKでゴールを狙うFW紺野(撮影:深水)

 この後も、アビスパと湘南はともに勝ち越しゴールを狙って攻め続けるが、双方のDF陣、そして最後には永石・富居の両GKが立ちはだかり、ゴールを奪うことはできない。試合は結局1-1の引きわけで終了した。

 長谷部茂利監督は試合後の記者会見において、「相手よりもシュート数や枠内シュート数は多かった。方向性は間違っていないと確認できた」と手ごたえを強調した。確かに、アビスパのシュート数15本に対し、湘南は6本。流れのなかで相手ゴールに迫る場面が多く、今シーズンの目標の1つである攻撃のテコ入れには一定の成果が出ているといえるだろう。その一方で、前半だけで7回あったコーナーキックなど、チャンスで勝ち越しゴールを決めきれなかったという面では悔いが残る。ゴールは水物ではあるが、改善を期待したいところだ。

 次節は16日(土)、ホームのベスト電器スタジアムでのFC東京戦。ようやく春めいてきた気候を楽しみながら、アビスパのホーム戦初勝利を応援しよう!

【深水 央】

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