2024年11月24日( 日 )

偏向報道のNHKは直ちに解体すべき

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 NETIBでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、NHKの討論番組での“やらせ手法”について言及した、10月18日付の記事を紹介する。


 NHKが日曜討論でTPPと農業を取り扱った。与党席3名、野党席3名の6名構成だが、これは見かけの構造。与党第一席には農水相が座り、野党第一席にJA=全中会長が着席。全農は自民党と「握り」、TPP容認なのだ。つまり、野党第一席は、隠れ与党席だ。
 与党席の残2席は、TPP推進の御用学者と、積極農業を手掛ける、全農家の1%を代表する農業法人代表者だ。野党席の残2席は、TPP批判の学者1名と、立ち位置が曖昧な消費者関連団体の代表の女性。
 NHKはこの手法を多用する。消費者関連団体の衣をかぶせて、「隠れ与党発言者」を用意する。

 2014年8月16日付のブログ記事「NHK『ニッポンの平和』に見る偏向番組の作り方」では、同年8月15日放送のNHKスペシャル「戦後69年 いまニッポンの平和を考える」に見る偏向放送のカラクリを指摘した。6名の討論者が出演した。見かけは、与党席3名、野党席3名だが、内実はまったく違った。実質野党発言者は1人だけだった。5対1で討論をさせるのだ。
 与党席第一席に岡本行夫氏が着席。岡本氏は自他ともに認める対米隷従の第一人者である。太刀持ち、露払いが第2席、第3席を占めた。
 一方の野党席。第一席に鳥越俊太郎氏が着席したが、理論武装不足のために論戦攻撃の標的とされた。第二席の東京大学教授加藤陽子氏は、集団的自衛権行使容認の新三要件に「明白な危険」という表現が盛り込まれたことを評価する、「実質的な集団的自衛権行使容認」派の発言者だった。つまり、「隠れ与党派」発言者だったのだ。さらに野党第三席に着席したのは、日本紛争予防センター理事長の瀬谷ルミ子氏だった。日本紛争予防センターは外務省関連のNGOであり、このNGOの事業資金には、外務省所管の巨大予算が充てられていると見られる。この団体の理事長が、集団的自衛権行使容認の閣議決定を否定するわけがない。野党席に着席させながら、実質的には「与党派」発言者だった。この瀬谷氏が安倍政権の集団的自衛権行使容認の閣議決定を全面否定するわけがない。

 NHKの討論番組は、一種の「やらせ番組」である。誰を出演させるかで、番組の内容をコントロールする。事前に発言内容を確認し、資料映像などを用意する。
 ポイントは二つだ。第一は、野党席に強力発言者を出演させないこと、第二は、与党派発言者と野党派発言者の「数」を操作すること、である。
 2014年8月15日NHKスペシャルでは、野党第一席に強力な憲法学者を出演させるべきだった。伊藤真氏や小林節氏を出演させると、集団的自衛権行使容認の主張が根底から論破されてしまう。したがって、このような強力は発言者を出演させない。本日の放送では、東京大学教授の鈴木宣弘氏を出演させるのが、本来の当然の対応である。TPP批判発言者の中核が鈴木宣弘氏なのだ。しかし、鈴木氏が強力な発言者であるからNHKは出演させない。

 そして、もうひとつが発言者の数の操作だ。2014年8月15日放送では、実質的に5対1の態勢で討論させた。本日の放送でも、基本的に5対1の構成だ。ここに偏向司会者代表の島田敏男が加わる。中立公正な討論など実現しようがない。
 このようなNHKは直ちに解体するべきだ。視聴者はこのようなNHKに放送受信料を支払うべきでないだろう。

※続きは10月18日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1270号「NHK放送受信料支払い凍結でNHK偏向を糺す」で。


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・植草一秀の『知られざる真実』

 

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