「LINE問題」は日韓の政治外交上の火種になるのか(後)
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日韓ビジネスコンサルタント
劉明鎬 氏ネイバー事業への影響は
LINEヤフーはメッセンジャー事業以外にも多彩なサービスを展開している。代表的なサービスとして検索サービスのヤフーと決済サービスのPayPayが挙げられる。また、ネイバーワークスも日本の金融・保険業界を中心に広く普及している。また同社は日本の業務用チャットサービスにおいても高いシェアを誇っている。
ウェブトゥーンのプラットホームであるLINEマンガもLINEを活用して日本で成功を収めたサービスのひとつである。LINEマンガは日本の電子コミックサービスで、月間アクティブユーザー数が1,000万人を超えた最初のサービスで、人気マンガも続々登場している。
このようにネイバーの収益モデルはLINEをベースに展開しており、ネイバーがLINEの経営権を失うと深刻な打撃を受ける可能性が高い。
世界のトレンドと今後の推移は
AI時代の到来により、自国のプラットホームをもっているかどうかがとても重要となってきた。その結果、各国では「自国プラットホーム主義」が蔓延している。米国は動画プラットホーム「TikTok」の普及に伴い、「TikTok」を強制的に売却する法律をつくった。
日本でもLINEのネイバー保有株をソフトバンクが買い取る動きが進んでいる。EUも米国や中国のビックテックが市場を牛耳るようになると、アップル、Google、メタなどによる市場支配力の乱用を規制する「デジタル市場法(約DMA)」と、プラットホームでの不法コンテンツの流通を防止するデジタルサービス法(DSA)を施行した。
問題は外国のプラットホーム企業が自国の市場に浸透すればするほど、自国のデータに外国企業がアクセスできるようになるという点だ。とくにサーバーやデータセンターが海外に存在する場合、現地政府がデータの提出を要求した場合、それを拒否するのはほぼ難しい。
プラットホームを自国企業がもつことによって、そのような問題が解決できるだけでなく、データ分析力を養うことで競争力をもつようになるからだ。今後、世界レベルで「自国のデータは自国でもつ」といったトレンドがますます強くなりそうだ。
韓国では与党が総選挙で大敗し、日本との関係が懸念されている。そのような状況下、LINE問題が両国の関係を冷え込ませるきっかけになるのではないかと懸念されており、この問題が長期化するのは、外交上良くないことだと専門家は指摘している。
(つづく)
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