元弁護士・清田知孝被告、横領事件の第2回公判 3つ目の事件追加
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9日午後、福岡県弁護士会に所属していた元弁護士・清田知孝被告の第2回公判が、福岡地方裁判所で行われた。
3つ目の事件について追起訴
公判ではまず最初に、3つ目の事件に関する検察の冒頭陳述が行われた。それによると、清田被告が弁護士として受任した債務整理手続きに関する業務において、2021年10月、回収した売掛金のうち304万円を被告人名義の口座に移し替えて横領したもの。
出廷した清田被告はこれに対して、検察から証拠がまだ開示されていないとして認否を留保した。
検察側証拠説明、提出された被害者側と被告側の証拠について
続いて、初公判で冒頭陳述が行われた1つ目と2つ目の事件に関する検察側証拠説明が行われた。
(1つ目と2つ目の事件は、清田被告が当時、弁護士としての業務で預かった約802万円と、約80万円を横領したとして起訴されたもの。検察が主張する2つの事件について、初公判で清田被告は起訴内容を認めている。)
検察の説明によると、被害者側証拠としては、被害者が弁護士として依頼した被告人との関係や、被害者の1人が保釈金の支払いのためにキャッシュカードを預けるように被告人に督促された状況などについての被害者の陳述が示された。また、被告人の友人を名乗る元暴力団組員の男が、被害者の1人に対して刑事告訴の取り下げを迫った様子なども証拠として説明された。
被害者側の処罰感情の説明としては、依頼をした弁護士に裏切られ数カ月にわたって保釈がかなわずに拘留されたことや、法律に詳しくない一般人が頼らざるを得ない弁護士が自身の立場を悪用した犯罪に対する怒りの大きさと、被告人に対する強い処罰感情が説明された。
続いて検察は、被告人側の証拠として示された供述調書の概要についても説明を行った。それによると、被告人が従事していた弁護士業務は、16年4月に業務停止3カ月の処分を受けた後から、事務所で雇用していた弁護士などが居なくなったことにより業務が滞り始めたこと。20年6月頃から始めた競艇のテレボート(インターネットによる舟券購入サービス)において、1カ月に数100万円負ける生活が始まったことや、はじめは父親の遺産を売却して軍資金としていたが、それも底をつき、21年5月頃以降、事務所の経費や生活費にも困るようになり、依頼人から預かった金額を自己のために使うようになったことなどが被告人の供述として示された。
犯行動機としては、テレボートの軍資金や、他の依頼人に対する支払いに迫られて犯行におよんだことなどが被告人の供述として示された。
今後の公判予定
第3回公判は、6月25日(火)午後1時30分~3時30分。第4回公判は、7月11日(木)午後1時30分~3時、いずれも912号法廷で開かれる予定。
第3、4回目の後半では、被告人側の情状証人による証言と、被告人質問などが行われる予定となっている。
【寺村朋輝】
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