佐藤凌我復活弾でダービー完勝! 福岡2-0鳥栖
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サッカーJ1リーグアビスパ福岡は16日、ホームのベスト電器スタジアムにサガン鳥栖を迎えて第18節の試合を行った。いよいよライバル鳥栖と雌雄を決する九州ダービーの一戦である。
サガン鳥栖は試合前の段階で17位。川井健太監督の就任3年目だが、毎年のように主力選手がチームを去る難しいチーム状況が続いている。アビスパにもFW金森健志、FW岩崎悠人、MF松岡大樹、DF宮大樹、DF田代雅也ら鳥栖に在籍経験がある選手は多い。彼らがこの試合にどう向き合うのかも、ダービーの醍醐味といえるだろう。熱い応援を交わす両クラブのサポーターたちが見つめるなか、ダービーはキックオフの時間を迎えた。入場者数は今シーズン最高の1万5,880人となった。
6月とは思えない強い日差しが降り注ぐなか、両クラブの選手たちはアグレッシブにぶつかり合う。ボールを握ってペースを握りたい鳥栖と、堅い守備からの速攻を目指すアビスパという予想通りの構図でゲームが進んでいく。鳥栖はMF河原創が豊富な運動量でセカンドボールを拾ってマイボールにするシーンが目立ち、アビスパは中盤のMF松岡が攻守ともにきびきびとした動きで効果的なプレーを続けていく。
11分には鳥栖MF河原からのロングボールに快速FWマルセロ・ヒアンが抜け出すが、ここはGK村上昌謙が果敢に飛び出してボールを押さえる。27分にはFW紺野和也が入れたクロスを鳥栖DF木村誠二がヘディングでクリアするが、これをMF松岡がダイレクトボレー。強烈なシュートは惜しくもクロスバーに弾かれ、得点には至らない。鳥栖がボールを支配するが決定的なチャンスはつくれず、反対にアビスパが鋭いカウンターでゴールに迫るという展開が続いていく。
42分、アビスパは波状攻撃をしかける。左右両サイドからDF小田逸稀、FW紺野、FW岩崎、DF宮らがクロスを入れ、エリア内ではFWウェリントン、FW佐藤凌我が頭で合わせる。だが、もう一息というところでゴールを割るには至らない。
その直後の44分。MF前寛之が中盤でボールをもつと、迷わず左サイドのスペースにロングボールを送る。ここに走りこんでいたのが快速を誇るFW岩崎だ。岩崎はマークについた鳥栖FW富樫敬真を華麗なステップでかわすと、エリア内にクロスを送る。これは鳥栖DFが頭でそらすが、そのボールを受けるかたちになった鳥栖のベテランDF丸橋祐介が見失ってしまう。その一瞬のスキを見逃さなかったのが、FW佐藤凌我だった。佐藤が鋭く右足を振り抜くと、ボールはGK朴一圭の頭上を貫く先制弾となった。大けがで長く戦列を離れた佐藤にとって、ベスト電器スタジアムでのゴールは昨年8月以来となった。
これでスタジアムの空気は一変。アビスパが押せ押せの雰囲気のなか、FWウェリントンらが前線で躍動する。アビスパが1-0でリードして前半が終了した。
後半は立ち上がりからアビスパの攻勢でスタート。両サイドからのクロスにFWウェリントンが合わせる、というシーンが続く。だが54分には鳥栖がカウンター。左サイドを駆け抜けたMF堀米勇輝が上げたクロスにFWマルセロ・ヒアンが飛び込むが、これはゴールの枠をとらえられない。
そして64分。アビスパは分厚い連続攻撃を仕掛け、右サイドでFW紺野とDF小田がパス交換。そして小田が左足で上げたクロスに飛び込んだのが、ここまで攻守に大きな存在感を見せていたFWウェリントンだった。アビスパが2-0とリードを広げる。
そして試合はこのまま終了。交代で入ったFWシャハブ・ザヘディ、FW金森らが鳥栖のゴールに対してプレッシャーをかけ続け、鳥栖は反攻の糸口すらつかめず試合終了となった。試合後、鳥栖の選手・スタッフが挨拶のために鳥栖サポーターが詰めかけたゴール裏に向かったが、待っていたのは大ブーイング。ダービーでの敗戦とはこれほど厳しいものなのか、と改めて思い知らされた光景だった。
これで3連勝となったアビスパは7位に浮上。敗れた鳥栖はJ2降格圏内の18位に順位を落とす結果となった。アビスパの次戦は22日(土)、首位を走るFC町田ゼルビア戦。次のホームゲームは26日に横浜F・マリノスを迎える一戦だ。
【深水央】
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