ウクライナをめぐる不都合な真実：アメリカの狙いに無頓着な岸田政権

    共和党の全国大会で正式に大統領候補になったトランプ氏は、すかさずウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談をこなしました。

　トランプ氏曰く「ゼレンスキー氏からはお祝いの言葉をもらった。俺がホワイトハウスにカムバックすれば、ゼレンスキーともプーチンとも話し、即座に戦争を終わらせる」。

　相変わらずの、根拠なき「トランプ砲」をぶちかましています。実は、同じ共和党の有力上院議員であるグラハム氏が「アメリカがウクライナに固執する本当の理由」を明かしてくれました。

　それによれば、アメリカがウクライナへの経済、軍事支援を続けているのは、巷間言われているような「自由と民主主義を守るため」ではなく、「ウクライナに眠る膨大な地下資源をロシアや中国に横取りされないようにするため」とのこと。

　グラハム上院議員曰く「ウクライナには重要な鉱物資源が大量に確認されている。金額にして12兆ドルに達する。これをプーチンに渡すわけにはいかない。中国もこれを狙っていることは間違いない」。

　アメリカはこうしたウクライナの地下資源を開発し、西側諸国と共有すれば、これまでやこれからのウクライナ支援にともなう資金提供の元を取ることは十二分に可能になると計算しているようです。

　すでにウクライナの誇る大穀倉地帯の半分以上がアメリカの巨大投資会社や農業資本によって買収されています。

　ウクライナは欧米から武器や資金を提供されていますが、無償援助ではありません。

　農地を含む国土を担保として差し出しているのです。

　そして、アメリカのブラックロックなどの大手投資ファンドはウクライナの未開発の地下値源を虎視眈々と狙っていることが判明しています。

　グラハム上院議員らはトランプ氏にも根回しを加速させているようです。

　「トランプ大統領誕生」となれば、「ウクライナ戦争を平和的に終結させる」というものの、言い換えれば「ウクライナの資源をめぐる分捕り合戦」に首尾よく自らを持ち込み、アメリカ主導でロシアとも話をつけようという構想に他なりません。

　「ビジネス・ディールの天才」と自画自賛するトランプ氏です。

　恐らく、ゼレンスキーともプーチンとも裏取引で大儲けできると「大金の匂い」を嗅いでいるに違いありません。

　余り表ざたにはなっていませんが、ウクライナではゼレンスキー大統領の肝いりで「臓器売買」が横行しています。

　ウクライナの地元メディアによれば、ウクライナの保健省の副大臣が関与し、首都キーウの大手病院を舞台に、公然と臓器売買が行われてきたとのこと。

　すでに11人が逮捕されている模様です。

　こうした病院ではEU諸国を対象に「注文から28時間、遅くとも60時間以内に、ご希望の臓器、心臓でも腎臓、肝臓でもお届けできます」と宣伝を行っていました。

　戦場で亡くなった兵士や、ミサイル攻撃で命を失った民間人の臓器を大々的に商品化しています。

　2021年以来、国営の病院でも民間のクリニックでも広く行われている「臓器ビジネス」です。

　保健省の副大臣はもとよりゼレンスキー政権の幹部らもさまざまなかたちで関わっていると批判されていますが、メディアを封印し、こうした不都合な実態を隠ぺいしているのがゼレンスキー大統領なのです。ほかにも同大統領の不正蓄財に関しては枚挙の暇がありません。

　しかし、岸田政権はそうした実態には見て見ぬふりを決め込んでいます。

　岸田首相も上川外務大臣もウクライナを訪問し、非殺傷兵器の提供や復興支援を約束していますが、ウクライナには莫大な富が眠っていることには無関心のようです。

　そうした地下資源を活用すれば、復興の足がかりになるはずで、そもそも戦争の終結にも大きな動機付けになると思われます。

　利に敏いトランプ氏がゼレンスキー氏をたぶらかし、おいしいビジネスを独り占めすることがないように、ウクライナの国民全体の利益を確保する道筋を見出す努力と工夫を重ねることが日本の役割ではないでしょうか。

著者：浜田和幸
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