2024年12月22日( 日 )

経営方針を明文化 未来志向で次なるステージへ

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(株)JCA

平木誠代表
平木誠代表

 (株)JCAは1988年に創業し、昨年12月に35周年を迎えた。企業を支える大規模システムを手がけながら、現在では30名超のシステムエンジニアを擁するまでになり、創業以来、着実に成長を続けている。

企業が抱える悩みをワンストップで解決

 企業が抱えるさまざまな悩みに対し、システム提供・開発、既存サービスのカスタマイズを通じてサポートを行う(株)JCAは、これまで九州電力をはじめとして、日本を代表する大手企業のシステム開発の一端を担ってきた。

 代表取締役社長・平木誠氏は2023年から、ブランドメッセージとして「福岡中の『こうしたい!』を私たちがシステムで解決します」を掲げ、福岡の中小企業が抱えるさまざまな悩みを解決することにも注力してきた。

 「地場の中小・小規模事業者にとって、オーダーメードで大掛かりなシステムを一から開発・導入するのは費用も時間もかかります。当社では入念なヒアリングをしたうえで既存のシステムの拡張、悩みを解決するSaaSサービスやその領域が得意な会社を紹介するなど、お客さまにとって最適な提案を心がけています」と述べる平木代表。企業のDXについても「大がかりなものではなく、既存のシステムの流用・拡張などでも十分悩みを解決できます。そうしたアドバイスを行うのも当社の役割だと考えています」とし、諸外国に比べて遅れているとされるDX導入の足がかりとなるサービスを提供する構えだ。相談は無料で、同社公式サイトで受け付けている。

緊急事態のなかでの抜擢 突然の後継者指名

 平木代表は05年に新卒で同社に入社し、以来15年にわたってシステムエンジニアとして活躍してきた。転機が訪れたのは20年6月、先代社長が肺がんであることを公表したのだ。病期はステージ4B、余命が1カ月あるかないかという状態にまで進行しており、まさに緊急事態だった。先代社長は当時シニアマネージャーだった平木氏を後継者として指名、平木氏にとってまったく予想していなかった「抜擢」劇だった。

 先代社長は21年9月に死去、それにともない平木代表は翌10月に代表取締役社長に就任した。社長就任以来、常に「私の仕事とは何か、自分の価値は何か、何のために仕事をしているのか、一体誰の役に立てているのか、JCAの企業理念・経営理念とは何か、本質的な価値は何か、JCAとは何なのか」と考え続けてきたという。そうした迷いのなかで平木代表が取り組んだのが、「経営計画書」の策定だった。同書は、JCAにおける社会人人生を振り返ったうえで、平木代表自身が理解し身に付け実践してきたJCAの理念について整理して文章化したものとなっている。同書は全10章で構成され、「企業の使命」「JCAのルール」「JCAを理解するためのエピソード」などを明文化している。

 経営計画書の冒頭、「1.企業の使命」には以下の3つの経営理念が掲げられている。

(1)雇用を創出します。JCAメンバーが仕事を通じて充実し、人生を安定させ得る環境をつくります。そしてJCAメンバーとその家族の幸せを追求します
(2)人間力とITリテラシーによりJCAオリジナルの価値を創造し、社会に貢献します
(3)社会の公器として、私利私欲を追求する価値観から脱し、公利公欲、利他の精神で企業活動を行い日本と地域に貢献します

経営計画書
経営計画書

 経営理念を策定したことで心境の変化などはあったのか。「漠然と抽象的に思い描いていた自分の価値観を明文化したことで、迷いがなくなりました」(平木代表)。ただ、経営理念を23年3月に策定したものの、しばらくは葛藤もあったという。

 「JCAは自分が興した会社ではない。私が手を挙げて社長になったわけでも、みんなに推挙されたわけでもない。何かのめぐり合わせで社長になっている。また、企業は社会の公器であり、オーナーや経営者など特定の誰かの物ではない。JCAもそうありたいと思っている。それなのに、私個人の意志で経営をして良いのか、私がビジョンを掲げて良いのか、私がやりたいと思うことは、JCAがやりたいことなのか、やるべきことなのか。このような迷いのなかで多くの社員を預かっているとは、私は何て無責任な人間なのだろうか」と葛藤したのだ。

 「自分がやりたいことに、先代社長についてきた社員を巻き込んでいいのか」と、少なからぬ抵抗があった平木代表。経営者は孤独。誰にも相談できずにいたが、尊敬する経営者である(株)はせがわの長谷川裕一相談役にその葛藤を吐露したところ、「人間関係において最も大切なことは『信』である。『信』とは、人と人との間に隙間がないことをいう。つまり、その人と一体である、ということだ。君と創業者は『信』によって結ばれており、一体だ。君のなかで創業者は生きている。だから、君が志をもってやろうとしていることは、創業者がやりたいと思っていることだ。創業者は無限の命を生きている。いつも君を見守っている。安心しなさい」とアドバイスを受けたという。その言葉に背中を押され、平木代表は、JCAの代表者として同社が目指す将来像に確信をもてるようになった。「これまで目の前にあった霧のようなものが晴れ、過去を振り返るのではなく、未来だけを見つめることができるようになった」(平木代表)という。

 経営理念などの作成により未来志向へと変化した同社。設立40周年、50周年、さらにその先まで、歩みを止めることなく成長を続けていくことは想像に難くない。


福岡で働くみなさん「さぁ、食べりぃ!」

    同社は、企業が従業員にスマートフォンで使えるデジタル食事券を支給できるサービス「Taberii(食べりぃ)」の提供をスタートした。サービスの提供範囲は福岡地域限定で、スマホがあれば、すぐに使用が可能。

 人手不足時代。企業としてますます重要になる「人的資本経営」の推進、無理のないシフトチェンジを支援する「Taberii」についてもっと知りたい方は、平木代表の著書『人手不足・倒産時代を生き抜く秘密の経営戦略』をご一読いただきたい。入手は以下のサイトより。福岡地域限定で無料プレゼント中。
https://taberii.jp/clients


<COMPANY INFORMATION>
代 表:平木誠
所在地:福岡市博多区冷泉町2-1
設 立:1988年12月
資本金:1,000万円
TEL:092-847-6066
URL:https://www.nzkjca.co.jp

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