サムスン電子の市場シェアを脅かす中国メーカー(後)
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日韓ビジネスコンサルタント
劉明鎬 氏中国メーカーの台頭
中国メーカーのトランシオンは 先進国では端末を販売していないので、あまり知られていないが、アフリカ市場だけを見ると、サムスン電子のシェアをしのいでいる。
また、市場調査企業・カウンターポイントによると、中国メーカーのオッポ(Oppo)は、ベトナムのスマートフォン市場でシェア27%を占め、サムスン電子を抜いて1位となった。サムスン電子はシェア21%で、2位に順位を下げた。なお、シャオミはシェア20%で3位、アップルはシェア16%、ビボ(Vivo)はシェア6%であった。中国メーカーが大きくシェアを伸ばしているなか、サムスンは24%もシェアを落とし、2位に下がった。
さらに、世界で2番目に大きい市場であるインド(約1億5,200万台)でも、サムスン電子はシェアトップの座を中国メーカーであるシャオミやビボに明け渡したことが明らかとなった。サムスン電子は6四半期連続インド市場で首位の座をキープしていたが、シャオミに譲っている。サムスンの出荷台数は、前年同期比で8%減少した610万台でシェアは17%を記録した。一方、シャオミは出荷台数670万台でシェアは18%を記録し、1位となった。
経済が低迷すると消費者は価格に敏感になる。現在、中国メーカーの低価格製品がサムスンの市場シェアを奪っている状況である。米国の制裁を受けたファーウェイが復活しているなか、シャオミ、トランシオン、オッポ、ビボなど中国メーカーの成長が著しい。
時代は「折りたたみ式」
「折りたたみスマホ」は本のように“横”に折り曲げるものと、ガラケーのように“縦”に折り曲げるものの2つのタイプがある。
サムスンは早くから折りたたみスマホに力を入れ、日本には19年に折りたたみ式の製品を投入した。最初はヒンジにひびが入るなど、品質的に問題があったが、それも改善され、最近は完成度が高くなった。
23年に入って中国メーカーも次々に製品をリリースし、製品の種類も多くなった。またGoogleは特に日本市場に力を入れており、折りたたみ式の普及に拍車がかかっている。
カウンターポイントの23年6月のレポートによると、折りたたみ式スマートフォンは23年には1,860万台に増え、24年には3,570万台と一気に増えることが予想されている。そして25年にはアップルが市場に参入し、27年には出荷台数が1億台を突破すると見られている。スマートフォンの10台に1台が折りたたみとなるわけで、どこでも見かける存在になりそうだ。
サムスン電子はこのような状況下、世界でシェアを伸ばすため、最先端のおりたたみスマホの開発に余念がない。また、折りたたみスマホに加え、スマートフォンにAI機能を搭載することで、他社との差別化を図っている。
サムスン電子は折りたたみやAI機能スマホで世界シェア首位の座をキープできるのか、それとも追い上げる中国メーカーによって市場での地位が衰退するのか、市場関係者は、その推移を注意深く見守っている。
(了)
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