【連載】進撃の小売&卸(3)ヤマエ久野の“地味な”積極戦略(前)
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ヤマエ久野は主業の卸に加えて、食品製造、建築関連、農産など緩やかな関連拡大といういわば集団独立、アメーバ型経営形態をとる。そこには現状を複眼視した柔軟な対応が見て取れる。いわゆる緩やかな時流対応という考え方だ。
業種に関係なく、規模拡大にはリスクがともなう。人、モノ、カネの調達も欠かせない。だから未経験の業種、業態には慎重にならざるを得ない。しかし、慎重は躊躇を呼ぶ。企業は成長することによって、競争力や経営基盤を強くしながら生き残ることが、半ば義務付けられるから、守りは衰退の始まりだ。
中心事業、いわゆる本業でそれなりのポジションを手にしている企業は、往々にして守りの経営志向になる。時代環境がその本業から距離を取り始めてもそれを素直に認識できない。なぜなら、本業が今の隆盛を築いた根本だからだ。どんな世界でも実績ある根本は否定しがたい。思い切って祖業を捨てることに自己否定にも似た抵抗感が生まれる。だから革新できない。そうなると、市場ニーズからずれた本業がじわじわ企業をむしばむ。企業の寿命30年、俗にいうジェネレーションギャップ(世代交代)による企業力の崩壊だ。
その頸木をさりげなくクリアしているのがヤマエ久野だろう・・・
※この記事は8月16日に有料会員向け「流通メルマガ」に配信したものから一部を抜粋したものです。全文を読むには「流通メルマガ」の申し込みが必要です。
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