アビスパ、強豪神戸に力負け 福岡0-2神戸
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サッカーJ1リーグアビスパ福岡は1日、ホームのベスト電器スタジアムにヴィッセル神戸を迎えて第29節の試合を行った。
ここのところ勝ち星に見放されているアビスパだが、試合内容は上り調子。昨年J1リーグを制した強豪神戸とどう戦うか、注目が集まる一戦となった。
試合はアビスパペースでスタート。戦前の予想では「個人技術に優れる神戸がボールを支配し、アビスパがカウンターを狙う」という見方が多かったが、ふたを開けてみるとアビスパが攻撃的なプレーで試合を支配し、何度も神戸ゴールに迫った。とくに惜しかったのが10分の攻撃。敵陣左サイドでボールをもったMF松岡大起が柔らかいボールをペナルティエリア内に送ると、これをFWシャハブ・ザヘディが空中で身体をひねる見事なヘディングで中央に落とす。そこに走りこんできていたDF前嶋洋太がシュートを放つが、これは神戸GK前川黛也の正面を突いてしまう。
アビスパ、神戸ともに何度かのピンチを切り抜けるなか、均衡を破ったのはやはり神戸の「タレント力」だった。前半終了間際の46分、ドリブルでペナルティエリアに侵入した元日本代表FW武藤嘉紀のパスを受けたのは、同じく元日本代表FWの大迫勇也。大迫はGK村上昌謙のセーブをかいくぐるような精度の高いシュートを放ち、神戸が先制に成功した。
後半も、開始直後はアビスパのペース。カウンターからFW紺野和也、FWザヘディ、MF松岡らがゴールに迫るが、もう一歩のところでゴールには至らない。一進一退の攻防が続くなか、80分にFW大迫がアビスパのペナルティエリア内でファウルを受けてPKを獲得。これを冷静に沈め、神戸がリードを2点に広げた。アビスパは試合終了のホイッスルが吹かれる瞬間まであきらめずに攻撃を続けたが、試合はこのまま終了。残念ながら、アビスパの未勝利は8試合となってしまった。
長谷部茂利監督が試合後の記者会見で、「相手は上手かったが、それは初めからわかっていたこと」と振り返ったように、プレーの質の差は明らかだった。球際を厳しく、いい守備からいい攻撃へという似通ったプレースタイルを取るだけに、クオリティーの違いがそのまま勝敗に表れた、という結果となった。
アビスパがJ1昇格をはたしてから4シーズン目。J1定着という目標は達成しつつある。だが、「昇格組」として侮られなくなるということは、対戦相手から研究され、弱点を突かれる戦いを強いられるということでもある。相性のよい相手は取りこぼさず、神戸のような難敵からはどうやって勝ち点を奪っていくか。長谷部アビスパのさらなる進化のために必要な要素とはいったい何かを考えさせられる一戦となった。
【深水央】
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