第53回日本医療・病院管理学術総会報告
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第53回日本医療・病院管理学術総会(学術総会長:井出義雄)が、11月5(木)6日(金)で福岡市中央区のアクロス福岡で開催された。全国から基調・特別講演、学術シンポジウム、パネルディスカッション等12演題、一般演題25演題が寄せられた。
今回のテーマは「2025年への挑戦 問われる日本の医療・病院管理」。
少子、高齢、人口減少下における地域の医療環境において、昨年の6月25日に公布された「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等」に関する法律の施行は全国の医療機関に不安と動揺を与えている。福岡県の場合は人口509万人に対し4医学部、4薬学部、11校の大学看護学部、看護学科等医療関係の養成校が充実しているが、医師、薬剤師、看護師等の慢性的な不足、また無医地区も16カ所と改善していない。特に郡部の医療機関においては昨年度より開始された病床機能報告制度、昨年4月に改定された診療報酬の改定等の影響と思われる一般病床の削減、病床機能の転換が見受けられる。
今回の学術総会は、生活習慣病の疫学・公衆衛生学分野の研究で国内外で高く評価されている久山生活習慣研究所の基調講演でスタートした。今後の生活習慣病への対応、特に認知症の実態把握と予防は2025年に向けての最も重要な課題の一つである。本講演の研究成果は、国のオレンジプラン推進戦略の基礎研究となった。
学会はこの基調講演を皮切りに、病院機能を検討するための各分野の講演、シンポジウムで構成されていた。
多くの課題を含んだ医療政策の改定であるが、患者の目線で、全国どこにでも同じ医療を受けられる体制を一日も早く構築されることが望まれる。【酒井 満】
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