2024年11月24日( 日 )

半世紀にわたり築いた信頼と確かな技術で100年先も生活インフラと暮らしを守り続ける

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山本設備工業(株)

山本設備工業(株) 山本慎一代表
山本慎一代表

 山本設備工業(株)は1956年創業の地場有数の総合設備工事業者。給排水衛生設備、空気調和設備工事、消防施設工事、水道施設工事などの設計、施工、アフターサービス全般を手がけている。山本慎一代表取締役は福岡市管工事協力会の会長を長年務め、業界の環境改善にも長く取り組んできた。同社は働く従業員の成長を支援し、住民が快適に暮らすニーズにこれからも応え続ける。

地場の設備工事業者でトップクラスの実績

 同社は経営理念に「誠実さと確かな技術で“快適”をつくりまもる」を掲げ、新築の設備工事はもちろんのこと、リニューアル工事にも力を入れ、「マンションの給排水管更新工事」「水回りの改修」「メンテナンス」など、住まいの設備工事全般を行っている。昨年の売上高は29億円と福岡市の設備業者ではトップクラスの実績をもつ。

 受注先別では、地場のゼネコンを中心とした民間企業が約8割、福岡市水道局などの官公庁が約2割となっている。

社員の成長を支えるために全員が
経営方針・理念を共有

 同社の掲げる理想の実現や目標を達成するためには「企業の成長」が必要であるが、企業の成長だけを目指すのではなく、そこには「従業員のスキルアップ」「従業員の成長」も含まれている。

 これまで従業員の成長を支えるためにさまざまな人材育成メニューを導入してきた。たとえば、入社時に渡される「コーポレートガイドブック」と「経営理念ハンドブック」。山本設備の歩き方ともいえる「コーポレートガイドブック」は、これを読めば、同社の歴史や概要をはじめ、社内ルール、社会人としてのマナー、業界・社内用語が「聞かなくてもわかる」状態になっており、「経営理念ハンドブック」は、会社がどのような方向に向かっているのかを従業員全員で共有するツールとなっている。

山本設備工業(株) コーポレートガイドブックやハンドブック
コーポレートガイドブックやハンドブック

 新入社員研修は、新卒と中途採用で分かれており、新入社員に対しては、約2カ月にわたって、社内講習や外部機関での各種講習で、社内のことや社会人として基本的なことを学ぶ。毎年4月から6月にかけて全社員を対象として行われる階層別研修は、経営理念・経営方針・価値観行動指針について理解を深めることを目的としている。

 新入社員の採用に力を入れており、毎年5~6人を採用している。3K(きつい・汚い・危険)が揃っているといわれる建設業界は若者から敬遠されがちだが、同社では多くの若い世代が働いている。従業員約70人のうち、20代が約3割を占め、平均年齢は30代半ばという。新卒の入社3年以内の離職率はゼロとなり、人材の定着が進んでいる。

時代が変わっても不変 人を大切にする企業理念

 若い社員が会社に求めるものは、やはり待遇面だが、同社は福利厚生を充実させている。日々の仕事をしていくうえで「健康で規則正しい食生活」は欠かせない。男性向けに独身寮が用意され、さらに寮母さんが常駐し食事もつくってくれる。

 家族向けの社宅は3LDKの駐車場付。家賃は安価でマイホームへの資金積立もできる。以前は男性社員のみの利用だったが女性社員の利用も可能となった。

 このほかにも、家賃補助や管工事施工管理技士・消防設備士などの指定資格を取得すると毎月資格手当が支給され、結婚祝い金なども用意されるなど、至れり尽くせりである。1年を通して、安全大会や納涼会などのイベントがあり、社員同士はもちろん、協力業者とも交流を深める機会となっている。このように整った環境は同社の大きな魅力の1つだろう。

 興味深いのは、同社は「人事評価」でなく「成長確認」と名付けて業務面の向上に努めていることだ。年2回、社員全員が自己の「成長確認」を行う。半期の「実行したこと」「成長したこと」「頑張ったこと」を振り返り、次の目標を設定する。上司は1次・2次にわたる評価を行ったうえで、面談を行っている。「評価」を行う上司は部下の「より良い成長」を支えるために、評価実施前に必ず研修を受け、「確認方法」「フィードバック面談の方法」などについて学ぶ。

 6月、山本慎一社長が会長を務める福岡市管工事協力会が設立50年を迎え、祝賀会が盛大に行われた。6期12年を終え、7期目に入ったが、業界の向上に向けて「行政と引き続き協力していきたい」と語る。

山本設備工業(株) 外観
山本設備工業(株) 外観

 福岡市は人口が160万人を突破し、国の規制緩和を活用した天神ビッグバンや博多コネクティッドによる都市再開発で、建物が続々と建替えられている。人口増加は永続的なものではないが、インフラを支える給排水工事の仕事がなくなることは決してない。

 AIの進歩により、これまで人間が行ってきた業務の数々が代替されていくことは間違いない。だが、山本社長は「職人の手を引き受けるロボットは、今後10年間は絶対現れない」との見方を示し「社員には技術を身につければ食っていける」と話しているという。

 「時代が変わっても、人を大切にする企業姿勢は変わらない」。『この人になら任せられる。この人のつくった水なら安心して飲むことができる』。そう思っていただくために、私たち自身が誰よりも信頼に足る人間でありたい」(山本社長)。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:山本慎一
所在地:福岡市南区清水3-5-27
設 立:1961年3月
資本金:5,000万円
TEL:092-554-5930
URL:https://www.y-s-k.co.jp

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