第53回日本医療・病院管理学会報告
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去る11月5、6日に開催された「第53回 日本医療・病院管理学会」のシンポジウムで、地域中核医療構想と地域包括ケアシステムという大命題のもと、下記の4演題の発表があった。
(1)地域中核都市の大規模医療機関における対応 -聖マリア病院
(2)都市部の国立病院機構における対応 -福岡東医療センター
(3)独立行政法人化した自治体病院における対応 -筑後市立病院
(4)地域中核病院である自治体病院における対応 -田川市立病院政府は、「必要なサービスを将来にわたって確実に確保してゆくためには、医療・介護資源をより患者ニーズに適合した効率的な利用を図り、国民の負担を適正な範囲に抑えていく努力が必要とし、市場の力でもなく、データによる制御機構をもって医療ニーズと医療体制のマッチングを図るシステムの確立を検討しなくてはならない」としている。
上記の4演題の発表では、各々エリアで対応はまちまちであるが、共通点も多く見られた。
各エリアとも2025年には人口減少があり、必要な医療体制は減少してゆく傾向にある。
一方、介護体制に関しては人口減少にも係わらず、現在より約40%近く増加させる必要性があると推測されている。そのため高度急性・急性期病床を減らし、回復・慢性期病床を増やしたりしている。また、病院向けの地域情報の伝達、地域向けの病院情報の伝達システムのネットワークの構築を推進している。
さらに、一般急性期看護体制7:1が厳格化され、地域包括化ケア病棟への変更やリハビリ提供体制の強化を行い、病床利用率向上の例も示された。
しかしながら、各エリア特性により病床数、高度急性・急性、回復・慢性期の配分も慎重に調整してゆく必要がある。また、医療スタッフの確保も、新制度や法律改定によりバランス良く確保してゆく仕組みも必要となってくる。【酒井 満】
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