2024年11月26日( 火 )

厳しい競争に晒され民事再生法適用を申請

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(株)ニューグリーンステイくじゅう「久住高原ゴルフ倶楽部」

久住高原ゴルフ倶楽部 久住高原ゴルフ倶楽部と言えば、久住高原に在るリゾートから近いうえに、福岡市内からでも高速道を使って2時間半の時間で行ける。リーズナブルな価格設定と幅広いコースが人気なゴルフ場である。しかし、11月4日に「久住高原ゴルフ倶楽部」を経営する(株)ニューグリーンステイくじゅうは、大分地裁へ民事再生法適用を申請、同日保全命令を受けたのだ。(詳しくはこちら

 では、同社が民事再生法適用を申請するまでの経緯はどのようなものだったのか――。6日に現地となる久住高原ゴルフ倶楽部に向かってみた。大分自動車道に乗りひたすら東へ。そびえる山々の間を縫う様に道は続き、無風の影響で山間に雲が漂っている幻想な風景を見ながら高速道路を走った。

 久住高原ゴルフ倶楽部に到着すると、通常通り営業を行っており、コースからボールを打つ音と歓声が聞こえてくる。このゴルフ倶楽部の母体である(株)ニューグリーンステイくじゅうは1989年9月に、地元自治体や地場企業などの共同出資を受け設立された。当初は滞在型リゾート施設の建設を目的としていたが、97年に「久住高原ゴルフ倶楽部」を開場させ、キャンプ場(150区画)の運営・管理、温泉施設を備えたコテージ(85室)の賃貸も行っていた。交通の利便性も加えて、宿泊とパックとしたプランも人気で、利用者全体の約40%が福岡圏内からだったという。

久住高原ゴルフ倶楽部 開場後、ピークでの売上高は3億円を超えていたとされるが、バブル後、長引く景気低迷がゴルフ場の経営を圧迫させ、企業体力は疲弊。さらに競合激化によりゴルフ場の稼働率は低迷していった。「この地域のゴルフ場は激しい競争に晒され、厳しい経営が続き、次々と破綻していったのです」と阿南支配人。その後、最終利益は赤字を散発。2005年には金融機関に対し、借入金の返済リスケジュールを要請するほか、ゴルフ会員に対しても預託金償還期限の延長を要請していた。「過去3万人に利用して頂いたお客様が2万人を割る状況に陥り、しかも近隣に激安でプレーできるゴルフ場が開設されたことで、さらに厳しい経営に追い込まれたのです」と支配人はコメント。13年3月期には売上高1億9,500万円まで減少したことから今回の措置となった。負債総額は約63億円(うち預託金約40億円)が見込まれている。

 今後の再生スケジュールとしては、11月11日に大分市内のホルトホール大分で説明会を開催する。そして来年5月頃にはスポンサーの決定を行い、夏までに、新生「久住高原ゴルフ倶楽部」としてスタートを切る予定である。

 民事再生法の適用を申請したものの、現在でも利用できる「久住高原ゴルフ倶楽部」。筆者も過去に数回プレーさせて頂いた。久住の山々が織りなす秋の紅葉をながめながらプレーされてみてはいかがだろうか。

【道山 憲一】

 

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