AIアバターを活かしたニュービジネスの台頭
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NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」の記事を紹介する。
今回は、12月6日付の記事を紹介する。世界では新たなビジネスが目白押しです。そのけん引役を担っているのは人工知能(AI)に他なりません。AIを使えば、これまでSFの世界でしかあり得なかったようなニュービジネスが簡単にスタートアップできてしまいます。
たとえば、アメリカでは100歳でこの世を去ったヘンリー・キッシンジャー博士をネット空間で蘇らせ、さまざまなビジネス上の相談役として活用するようになってきました。何しろ、大統領補佐官としても国務長官としても大活躍し、ノーベル平和賞を受賞した経歴の持ち主です。100歳にして、北京を訪問し、習近平国家主席とも丁々発止のやり取りを展開していました。
米中関係が緊張度を高めるなか、キッシンジャー博士の慧眼からアドバイスを得たいと願う投資家や経済人が後を絶ちません。幸い、生前、同博士は著作、講演、インタビューなど、数多くのメディアを通じて、自らのアイデアや発想を縦横無尽に語ってくれていました。
そうした知的財産の宝庫に着目したGoogleのシュミット元CEOは、そうした膨大なデータをAIを駆使して分析、処理したうえで、どのような質問や疑問にも素早く答えてくれるソフトを開発したのです。キッシンジャー博士の肉体は存在しませんが、その脳内メカニズムはこれからも生き続けることになります。
実は、日本でも同様のビジネスがスタートしました。「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助氏のAIアバターが完成したのです。
現在のパナソニックの前身であった松下電器の創業社長ですが、94歳で亡くなってから35年が経ちます。いまだに松下氏が残した業績や言葉は多くの経営者の鏡として輝いているため、パナソニックでは創業者の残した無数に近い言葉を集め、現代の人々の抱く悩みや問題意識に即座に答えてくれるシステムを開発したというわけです。
試しに松下AIアバターに質問を投げかけてみましょう。
「快適な生活を送れば、長生きできますか?」すると次のような答えが返ってきました。
「充実した人生を送る秘訣は青年時代の気持ちを忘れず、希望に満ちた生き方を心がけることです」皆さんも試してみては如何ですか。キッシンジャー博士や松下翁に限らず、AI仏陀やAIキリストも誕生しています。あの世にいる世界の英知との対話が可能な時代が到来したと言えそうです。
著者:浜田和幸
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