シスメックスの確約計画を認定 他社製試薬排除に対して公取委
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13日、公正取引委員会は医療機器メーカーのシスメックス(株)(神戸市中央区)が申請していた確約計画を認定したと発表した。
シスメックスは、自社製血液凝固測定装置「CNシリーズ」と、測定時に必要な試薬「リアスオート・Dダイマーネオ」および「リアスオートP-FDP」(以下、指定試薬)を抱き合わせで販売していた疑いがもたれていた。
公取委によると、同社は少なくとも19年8月から24年7月にかけて、血液凝固測定装置の供給にあたり、他社製試薬も使用可能であるにもかかわらず、指定試薬のみを使用するよう病院などに求め、事実上セットで購入させていた。こうした行為が、独占禁止法に違反する疑いがあるとされた。
シスメックスは、血液凝固測定装置の国内市場でシェア1位を誇る。公取委は、同社が競争上優位な立場を利用して他社製試薬の取引機会を奪い、市場競争を阻害する恐れがあると判断。1月16日に、独禁法に基づいて、同社に対して確約手続に係る通知を行った。これを受け同社は、違反疑惑行為を取りやめ、再発防止に向けた措置を盛り込んだ確約計画を提出していた。
確約計画には、抱き合わせ販売を行わないことを取締役会で決議し、病院や販売代理店に通知することなどが盛り込まれた。さらに、措置の履行状況について、第三者機関に監視を委託し、今後5年間にわたり公取委へ報告する。
公取委は、これらの措置が違反疑惑行為を排除し、再発防止を確保するのに十分であり、計画も確実に履行されると判断し、確約計画を認定した。なお、今回の認定はシスメックスの行為が違法と認定されたわけではなく、競争回復を目的とした行政処分である。
シスメックスは1984年から血液凝固測定装置の製造販売を手がける医療機器メーカーで、試薬も自社開発し、病院や診療所に販売してきた。血液凝固測定装置は、血栓症や心筋梗塞などの診断に用いられる医療機器で、測定には試薬が不可欠となる。
通常、測定装置はメーカー純正品だけでなく他社製試薬も使用可能だが、シスメックス製装置では特定試薬しか使用できないようにすることで、競合を排除する結果になっていたと指摘されていた。
【寺村朋輝】
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