九電瓜生社長、「川内原発、60年運転を目指す」発言の真意
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川内原発
営業運転が始まった川内原発1、2号機について九州電力(株)の瓜生道明社長は18日、「60年運転に向けてがんばっていく」と話した。この談話の真意について、データ・マックスが九州電力に取材したところ、「その話は何か確定した事実があってしたものではなく、あくまでも設備の有効活用という観点から“できる限り使いたい”という意味で発せられたもの。60年という数字に裏付けがあるわけではない。方向性を語った」との返答を得た。
今回の瓜生社長の発言は、「原則として運転できる期間40年+最大延長期間20年を合わせた60年間の運転を目指す」という考えを示したもののようだ。原子力規制委員会に取材したところによると、原発運転期間の延長については、40年が経過する日の1年3カ月前から1年前までの3カ月間に施設側から延長したい期間を申し出て、その申し出期間、プラントが耐えられるかどうか基準に従って審査するとしている。瓜生社長が述べた60年(間)というのは約10年弱先の川内原発の状態を慎重に審査した後の話なのである。
具体的に説明すると次のようになる。川内原発は1号機が1984年7月に、2号機が1985年11月に営業運転を開始した。核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の第43条の3の32によると、検査合格した日から起算して40年間、発電用原子炉を運転することができるとしている。九電に確認したところ、検査合格した日は運転開始日と同じという回答が得られたので、2015年で1号機が31年、2号機が30年経過することになる。同法において、期間の延長も1度だけできると定められており、20年を超えない範囲での延長は原子力規制委員会の認可を受ければ可能としている。
確かに、1度の延長は法で認められている。しかし、それは延長のための検査を無事に通過できて初めて言えることである。原発は老朽化するほど危険性が増す。原発の万が一は、地域にとって致命的な事故になりかねないことを忘れているのではなかろうか。
安全なうちに廃炉へ動いた方がいいという考えも有識者の間でささやかれている。そのとき、プラントがどういう状態になっているのかはっきりしない段階での瓜生社長の延長を前提とした60年運転発言は、たとえスローガンだとしても、少々いきすぎた部分があったのではないだろうか。
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