【BIS論壇№ 473】3つの国際会議参加報告
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NetIB-Newsでは、日本ビジネスインテリジェンス協会理事長・中川十郎氏の「BIS論壇」を掲載している。
今回は3月10日の記事を紹介する。このところ有益な国際会議が目白押しである。さる2月26日、『日本、インド、アフリカ官民フォーラム』が丸一日(午前10時~午後5時20分)イイノホール&カンファレンスセンターで、3月5日には言論NPO主催の『The Tokyo Conference 2025』が 東京プリンスホテルで、3月6日には財務省国際シンポジウム『戦後80年に考えるこれからの国際協調のあり方』がホテルニューオータニで開催され有意義であった。下記ご参考までに概略を報告したい。
BIS関係者では2月26日の会議に大島英雄BIS常務理事、3月5日の会議に村石恵照・BIS副会長、3月6日の会議には井川紀道・顧問、村石恵照・副会長、稲垣紀夫・理事なども参加。お互いに切磋琢磨した。3会議ともトランプ政権のアメリカファースト策に批判的な意見が多く出された。
(1)
『日本・インド・アフリカ官民フォーラム』は、ジェトロ・アジア研究所・研究推進部研修イベント課が担当。インド・アフリカ研究家や専門家が講演。日本には地理的にも、政治経済的にもなじみがうすいアフリカ市場攻略には長年移民、政経学的地政学的にも経験豊富なインド企業やインド関係先との連携が望ましいとの意見が大勢を占めた。
かつて60年代に商社でアフリカ向け初のガーナ鉄道修復、通信網建設、米作指導、さらにエジプトのアスワン・ハイ・ダム、アブ・シンベル神殿移設工事、国連FAOアフリカ向け、ランドクルーザー、かんがいポンプ、耕運機、漁網など納入。トーゴ向け日本車初輸出。インド・ニューデリー駐在時代にインド洋モーリシャス向け鉄鋼輸出などを手掛け、アフリカビジネスにご縁がある筆者としては、アフリカに1,000万人以上の人脈を有するインド企業との連携による日本アフリカ進出戦略に日印官民での戦略提携はすばらしい構想だと確信する。日印関係企業の積極的な協力が強く期待される。
(2)
3月5日の言論NPO国際会議『The Tokyo Conference 2025』の主題の下、米、英、加、独、仏、伊、印、インドネシア、ブラジル、日本の10カ国の有力シンクタンクから代表が参加。「国際協調の未来と改革」「トランプ時代の国際協調」「ウクライナ停戦とガザの復興」など白熱した世界の有識者の議論が交わされ、有益であった。
(3)
3月6日の財務省国際シンポジウムは『戦後80年に考えるこれからの国際協調のあり方』を主題に世界の17名の論客がパネルを中心に6時間の熱心な討論を繰り広げ、極めて有益であった。筆者が米コロンビア大学留学時、ご縁のできたオーストラリア国立大学豪日研究センターの士郎・アームストロング所長が豪州を代表して参加。旧交を温められたご縁に感謝したい。
<プロフィール>
中川十郎(なかがわ・ じゅうろう)
鹿児島ラサール高等学校卒。東京外国語大学イタリア学科・国際関係専修課程卒業後、ニチメン(現:双日)入社。海外駐在20年。業務本部米州部長補佐、米国ニチメン・ニューヨーク開発担当副社長、愛知学院大学商学部教授、東京経済大学経営学部教授、同大学院教授、国際貿易、ビジネスコミュニケーション論、グローバルマーケティング研究。2006年4月より日本大学国際関係学部講師(国際マーケティング論、国際経営論入門、経営学原論)、2007年4月より日本大学大学院グローバルビジネス研究科講師(競争と情報、テクノロジーインテリジェンス)。
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