石破茂総理、自民党つぶしの確信犯~日本の救世主になるか

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国連関係者「訳が分からない政治手法」

自民党 イメージ    15日の朝、国連関係者の友人から電話がかかってきた。彼は長年、国際機関で日本の政治動向を観察してきた人物だ。「石破首相は昔から金銭感覚に関して清廉で、私財を政治に持ち込まない政治家として尊敬してきた。それなのに、自民党の衆議院議員の新人15人に10万円の商品券を配り、総額で150万円もばらまくなんて信じられない。こんな手法は理解不能だ。石破さんは頭がおかしくなったのではないか」と、いら立ちを隠せない様子で語った。

 私は冷静に反論した。「よく考えてみてよ。今回が初めてではなく2回目、意図があってやったと見るべきだ。昨年の衆議院選挙でも、自民党候補者に500万円を配ったよね。あの金のばらまきは、マスコミに漏れることを前提にした計算ずくの行動だった。あれがなければ、自民党はあそこまで大敗しなかったかもしれない。石破さんは選挙結果を予測し、大敗を覚悟で手を打ったのだ。彼は確信犯だよ。自民党を一度壊し、再び一からつくり直そうとの信念をもっているのだ」。

 友人は少し考えてからこう返してきた。「言われてみれば理解できないわけじゃない。でも、国家権力の頂点に立つ総理が、自民党総裁として自らの手で党を壊すなんて異常だ。自民党も終わりだな」。彼の声には困惑とあきらめが混じっていたが、石破氏の行動の深層を理解するまでには至っていないようだった。私は内心、これは単なる党内の混乱ではなく、日本全体の未来を見据えた戦略だと感じていた。

トランプさまの世界革命策動の波が日本へ

 「我が国絶対優先」を掲げるトランプ大統領は、再選後の2025年、ますます過激な姿勢を世界に示している。彼は過去にも強力な同盟国と経済政策や関税引き上げで衝突してきた。トランプが「カナダはアメリカの51番目の州になるべき」と発言すると、カナダのトルドー首相が即座に「冗談ではない」と反発し、国民からは抗議デモが起こるなど、両国の関係は緊張が続いている。アメリカとカナダの公然とした対立は、今後も解消されそうにない。

 欧州の同盟国にも容赦ない。24年のNATO首脳会議で、「自分たちの国は自力で守れ。アメリカに頼るな。ウクライナも自分で守れ」と発言し、出席者をあぜんとさせた。自尊心の強いイギリス、フランス、ドイツの首脳は激怒。フランスのマクロン大統領は「欧州の戦略的自立」を再強調し、核戦力の増強を宣言。ドイツも防衛予算をGDP比2%に引き上げる計画を発表した。トランプの強硬姿勢は、同盟国の自立を促す一方で、伝統的な西側の結束を揺るがしている。

過去の日本の首相たちはアメリカの恫喝に屈する

 筆者は、石破首相が国内だけでなく世界を見通す卓越した政治的洞察力をもっていると高く評価する。トランプ大統領が「日本の防衛は自力でやれ」と圧力をかけてくることを、石破氏は数年前から予測していたと見ている。実際、日米首脳会談で、トランプは日本の防衛費増額と在日米軍駐留費の全額負担を要求し、「払わなければ撤退する」と恫喝したと報じられている。石破氏は「国内政党の根幹を変革しなければ、日本の未来はない」と確信しているのだろう。

 情報が漏れ伝わるにつれ、「日本は実質的にアメリカの植民地だ」と国民も気づき始めた。このサイトでも繰り返し指摘してきたが、3代前の安倍首相が20年に辞任した背景にCIA極東最高責任者から次世代軍事兵器の購入を強要されたことがある。関係者によると、安倍氏は「日本の財政が破綻する」と抵抗したが、最終的に屈したストレスにより健康状態の悪化を招いたという。

 元首相の麻生氏も最近、目立った発言を控えている。政治関係者からは、「アメリカ側から『目立つな、動くな』と警告を受けたため」との声が漏れ聞こえている。80年間、日本は主権を奪われたアメリカの植民地であり、日本の首相は実質的にアメリカ大使館の出先機関の部長クラスに過ぎない。この現実が国民に周知されつつある。

石破首相の信念~アメリカからの尊厳的な独立死守

 トランプの影響は日本国内にも波及している。東京では「財務省解体」を求めるデモが頻発し、数千人が参加。デモ参加者は「財務省はアメリカの手先」と批判し、日米地位協定の見直しや対米従属からの脱却を訴えている。政党支持率調査でも、自民党は若者層から見放され、支持率が20%を切るなど危機に瀕している。参議院選挙は、自民党と立憲民主党が大敗し、両党は分裂の危機に直面するだろう。

 石破氏はこうした展開を予見しているはずだ。だからこそ、「自民党を惨敗させるためにあらゆる手段を尽くす」と腹をくくっている。「自民党が弱体化すればアメリカの支配が薄れる」という政治信条に基づき、意図的に党を壊し、再構築を狙っているのだ

 石破氏は愚か者でも狂人でもない。日本の尊厳を取り戻すための冷徹な戦略家なのだ。

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