旧統一教会への解散命令、25日午後にも東京地裁が判断へ

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    旧統一教会(世界平和統一家庭連合)に対する文部科学省が行った解散命令請求をめぐり、東京地裁は25日午後、請求を認めるかについての判断を示す見通しだ。これに先立ち、教団と文科省双方の関係者が、午後東京地裁に呼ばれている。

 東京地裁では、これまで国(文科省)と教団から意見を聞く「審問」が非公開のかたちで4回行われ、1月に実質的な審理が終結していた。福岡市は教団関係者に対して公共施設利用などの許可を保留しているが、解散命令が出された場合、その判断にも影響を与えそうだ。

 旧統一教会をめぐる問題がクローズアップされたのは、2022年7月の参院選中に奈良市で発生した安倍晋三元首相の銃撃事件である。

 山上徹也被告は、逮捕後の取り調べにおいて教団の信徒である母親が多額の献金を行い生活が破綻し「(教団を)恨む気持ちがあった」と供述。安倍氏が教団友好団体「天宙平和連合(UPF)」の行事に寄せたビデオメッセージを見て「つながりがあると思って狙った」と語ったという。

 安倍氏の事件後、教団の高額献金や霊感商法とともに、自民党議員など教団側と保守系政治家との接点が次々と報じられると社会的に批判が高まった。自民党はこれを受けて党所属国会議員の点検・調査を実施し、379人中179人(福岡県選出議員は4人)が選挙支援や教団関連団体の会合への出席などを認めた。

 岸田文雄首相(当時)は、教団との関係断絶を党の方針として指示する一方、23年10月、解散命令請求に踏み切った。解散請求にあたって所管部署の文化庁宗務課の職員を増員、警察庁や財務省などからも職員が派遣され、質問権行使による教団の調査が行われた。

 22日には、東京都内で全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)の集会が開催され、教団が被害者に謝罪し、損害賠償を行うことや、不当寄付勧誘防止法の改正を求める声明を発表した。一方、教団は、信徒らでつくる「基本的人権・信教の自由を求める会」によるデモや集会などを通じて、「宗教迫害」や解散命令に反対する運動を展開している。

 福岡県在住で、学生時代に教団関連の学生団体「原理研究会」に参加したことがある女性は「被害者がいる以上、解散命令は行うべき」としたうえで「今となっては貴重な体験だったとも思う。信仰の自由は否定しないが、献金など純粋なものとは別物になってしまう」と語った。

 なお、裁判所の判断を受けて、今日夕方、所管大臣による記者会見が行われる見通し。

【近藤将勝】

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