福田中間市長、次の選挙は「引退」をお勧めする

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 任期満了にともなう福岡県中間市長選挙が6月8日告示、15日投開票の日程で行われる。現職の福田健次市長は続投について態度を明らかにしていないが、すでに市議ら2人が立候補を表明している。

 先週16日に立候補を表明した市民団体代表で会社員の下田章人氏は記者会見で、福田市長と議会の対立が続く状況を憂慮し、対話の必要性を訴えた。事実、中間市の今の状況は住民にとって好ましいものとはいえない。

 昨年6月議会では、学校給食の無償化に応じないことなどを理由に、福田市長に対する辞職勧告決議案を賛成多数で可決した。福田市長は23年10月に北九州市で開かれた会合で「あいさつとスカートは短い方がいい」と発言した問題で、同年12月にも辞職勧告決議を受けている。「スカートは短い方がいい」という発言はセクハラ発言であり、女性職員をそのような目線で見ているのかと疑いたくなる。

 首長と議会は対等な関係にある「二元代表制」である。福岡県知事選で再選された服部誠太郎知事もそのことを強調していた。執行部と議会の間に緊張関係はあって当然だが、在任中、何度も辞職勧告決議が出されるのは市長としての資質に問題があるからだろう。

 当社は、コロナ禍の時期、中間市の一日市長を務めたClick Holdings(株)の代表・半沢龍之介氏の「Be Gaming Stationプロジェクト」(BGS プロジェクト)の問題を取り上げてきた。BGS投資事業はいわゆるマルチ商法の手法を活用しており、投資や仮想通貨事業に多くの人を勧誘していた。その際にPRに使ったのが、中間市との包括連携協定だ。

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 福田氏は当社の取材に対し「私たちはClick Holdings(株)と包括連携協定を結んでおりますが、BGSプロジェクトには一切関与しないと明言しています」と述べていた。

 これだけではない。先月、中間市選出の元県議・片岡誠二容疑者が県の健康維持事業「ケアトランポリン」に関連した収賄容疑で逮捕されたが、福田市長は片岡氏と近しい関係にあり、市長選では全面支援を受けていた(地元関係者)という。片岡氏のホームページには、福岡県副知事らと福田市長を訪問している写真も掲載されていた。

 記者は福田市長とは、たびたび会合で顔を合わせている。地元情報番組などに出演していたタレント出身らしく、笑顔で挨拶されるため、そういう意味では悪い印象はない。

 だが「BGSプロジェクト」といい、「ケアトランポリン」といい、議会との関係性も含め、自治体の長の職責を考えると「軽率であった」では済まされない。この際、次期市長選への出馬はおやめになられることをお勧めしたい。

【近藤将勝】

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